きょうは、オリジナルのファンタジー小説、『魔法使いサキの物語』の、第13章・第4話を書き進めたので、ご紹介します。

前回までのあらすじ
魔法長官スナクフの帽子ベレーズは、ダンケルとマイネに、白い影の正体が三法者の一人ミタマの魔法であることや、サキの両親セイヴァンとニールスエスタと、ミタマとの関係のことなどを話して聞かせました。
はじめはベレーズがだましていたことに怒っていたダンケルも、話を聞くうちに、魔法長官スナクフの深い考えがあってのことだったのだと分かって、ベレーズを許すのでした・・・。


魔法使いサキの物語
第13章・第4話「二日でシンギ半島に渡る方法」

「それで、スナクフ様は僕らにどうしろと?」マイネが聞きました。
「サキ様を探して、私を渡してもらいたいのです。私はスナクフ様からサキ様への言づてを預かっているのです。ただ、今すぐ渡しては、ブランの影響力が強過ぎますから、お二人がサキ様に追いついた時が、最善の頃合いであろうとの事でした。」
「サキはもうナーグリアの交易船に乗って、シンギ半島に渡ってしまったんじゃないかな。僕らだって、帰ろうとしている故郷はシンギ半島にあるんだけど、交易船は二ヶ月しないと戻って来ないし、その間にサキはもっと遠くに行ってしまうよ。」
ベレーズはすかさずマイネに、
「カラブネを作るのです。」と言いました。
「カラブネって何だい。」
「空を飛ぶ舟です。それを用いれば、シンギ半島のギリーニャまで二日で着けます。」
「そんなすごい物、平平の魔法使いの俺たちが作れるかよ。」ダンケルがあきれて言いました。
「作り方は、私がスナクフ様から聞いているので教えます。お二人は私の言う通りに、材料を集めて下さい。」
「ちょっと待て。俺たちは、まだサキを追うとは決めてないぜ。故郷に帰りたいだけなんだ。話を聞くと、サキは相当やっかいな問題に巻き込まれてる。仕官するはずだった魔法庁もなくなったし、俺たちが危険を冒してまでスナクフ様の指示に従う理由はない。」
ダンケルがきっぱりと言うと、ベレーズはあっさり、「そうですね。お二人はスナクフ様の弟子でもありませんから、スナクフ様の指示に従う理由はありません。」と認めました。
そして、
「これはお願いなのです。サキ様がナップにたどり着いて、カン・ソク様を救い出すには、私がスナクフ様から預かった言づてがどうしても必要なのです。私が自力でサキ様のもとへ向かえたらいいのですが、それが無理な以上、信頼できるお二方に、その任をお頼みするほかはないのです。」と言いました。
「勝手な理屈さ。俺たちは、サキに貸しはあっても、借りはこれっぽっちもないんだからな。」
ダンケルがつっぱねると、ベレースは心細そうにマイネを見上げました。
マイネは腰に手を当てて考えていましたが、
「ギリーニャまで二日で着けるなら、サキとの距離は相当縮まるだろうね。僕らは、サキを見つけられるだろうか?」
と聞きました。ベレーズは勢い込んで、
「もちろんでございます。お二人がサキ様を見つけると確信していたからこそ、スナクフ様は私をお二人に委ね、また、カラブネの作り方まで、私に教えておいたのですから。」
と答えました。
「おいおい、僕らって言うなよ。俺はもう降りるぜ。」
ダンケルがマイネに言いました。
マイネは、「スナクフ様からもらった報酬や旅費が、まだたんまり残ってるだろ。それに、どうせ向かう方角は同じなんだし、ベレーズはカラブネの作り方を教えてくれるって言ってるんだから、無事にギリーニャに着けたら、少しくらいサキを探してあげたっていいじゃないか。もし、ギリーニャでサキが見つからなかったら、ダンケルはそこで役目を降りたらいい。僕はサキを探しながら、エレスの師匠のところに向かうよ。」
「お前は律儀すぎるんだよ。」ダンケルはぼやきながらも、
「ナーグリアの北の海から大回りしてシンギ半島に帰る道のりを考えると、本当に二日でギリーニャに着けるなら、有り難いなんてもんじゃないからな。」と、あごを撫でながらしばらく考えたあとで、ベレーズを見おろして、
「よし、サキがあんまり遠くへ行ってない事を祈るんだな。」と言いました。
ベレーズは、
「では、急いでカラブネの材料を集めましょう。」
と、二人を急かすように、左右のつばをパタパタと揺らしました。

つづく

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