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オリジナルのファンタジー小説、『魔法使いサキの物語』の、第13章・第1話を書き進めたので、ご紹介します。
この物語は、久しぶりの更新です。

第13章では、フラトの魔法庁からサキを追う任務で派遣されたダンケルとマイネの、その後の様子を書いていきます。
フラトで魔法使いたちによる革命が起きたため、彼らは役人としての職務を失った形となり、現在は、サキの捜索をなかばあきらめて、故郷のシンギ半島に帰ることを一番の目的に旅を続けています。



魔法使いサキの物語

第13章・第1話「革命の余波」

フラトの王、アモスの決定により、フラトにいる魔法使いは全員、国外追放を命じられることになりましたが、その後、魔法使いたちが起こした反乱により、フラトの都テトはあっけなく陥落し、アモスはわずかな手兵に守られながら、かろうじて近郊の都市バライへ逃げのびる事となりました。
フラト全土の魔法使いは、革命が成功した事を知ると、多くの者が革命軍に加わるためにテトの都を目指し、すでに国外に追いやられていた人々も、いっせいに進路を反転させて、もと来た道をフラトへ向けて戻りはじめました。
西の大国ナーグリアでは、国外追放となったフラトの魔法使いが、難民として大挙して押し寄せる事を警戒して、東の国境を封鎖し、フラト側からの入国を一切受け入れないという対策を整えていましたが、大半の魔法使いは、ナーグリアに至る前に、フラトに引き返し始めたので、ナーグリアの国境を訪れたのは、革命の混乱に巻き込まれることを恐れた魔法使いたちと、革命が起きた事をまだ知らない魔法使いたちの、二通りに限られる事となりました。
革命には加わらない事にした魔法庁の元役人、ダンケルとマイネも、それぞれの故郷があるシンギ半島を目指して、ナーグリアの国境にやって来ていました。
魔法庁の役人だった頃の彼らの目的は、サキの忘れ物である帽子のトミーが入った小箱を、サキのもとに届ける事でしたが、それを依頼した魔法長官のスナクフが失脚し、革命に加われという魔法庁の元技師長ヘブの誘いも断った今では、目的と呼べるほど重要なことではなくなってしまっていました。
「ナーグリアではサキを探したりせず、さっさと港へ行ってシンギ半島に渡ってしまうのが賢明だろうね。どうも、フラトの混乱の影響は、フラトだけにとどまらない気がするもの。」
馬に乗ったマイネが言うと、
「革命なんて大それたことをすりゃあ、どこの国も、一層厳しく魔法使いを締め出すようになるだろうからな。」
と、荷を背負って横を歩くダンケルが答えました。
すると、鋭く風を切る音がして、マイネの馬の足元に、何か細長い物が突き立ちました。歩みを止めてよく見ると、棒の上部に灰色の羽が取り付けてあったので、矢だという事が分かりました。
飛んできたのは、ナーグリアとの国境の方角のようです。しかし、まだ国境の関所など見えないので、どこから射て来たのかは、わかりませんでした。
二人はすぐに、きびすを返して、もと来た方向に走りはじめました。矢を射たのは、かなり腕の立つ魔法使いで、二人を射抜かなかったのは、もしその場を立ち去らなければ、今度は命中させる、という警告だと思ったからです。
半時間ほど走ってから、二人はやっと歩調を緩めました。
「一矢目で命中させないところが、魔法使い同士の仁義ってとこだろうか。」
マイネがふり返らずに言いました。
「まだそれほど、フラトからの難民がナーグリアに押しかけていないって事だろう。人数が多くなれば、警告なんて悠長なこともしてられなくなるさ。」
ダンケルは呼吸を整えながら、やっぱり振り向かずに答えました。

つづく


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魔法使いサキの物語 第13章・第1話 「革命の余波」|Kobitoのお絵描きブログ
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