三人の方と共作した童話、『クリスマスの天使』の、第2話です。

挿絵は、色鉛筆の灰色で、下描き無しで描きました。
普通の鉛筆で線画を描くと、手でこすっただけで線が汚れてしまうので、最近は定着の良い色鉛筆を線画に用いる事が多いです。

では、挿絵と照らし合わせながら、物語をお楽しみ下さい。



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クリスマスの天使

作: Kobito、nao、かまど猫、Sian
絵: Kobito

第2話

 そんなわけでヒルダとヨルダは、クマのお医者さんがウサギのトチリさんの家に往診にいくのについていきました。
 トチリさんのおうちはとても小さくて、周りのりっぱなレンガ屋根のおうちにちんまりと埋もれていました。

「なんてかわいらしいおうち」
「でもカーテンがついてないね」
「あらほんと。それにすごいヒビ」

 双子はクマのお医者さんに言われたとおり、窓からこっそりシュンくんをのぞいてみたのですが。その窓にはヒビが走っていて、われないようテープで止めてありました。
 お医者さんは迎えてくれたお母さんといっしょに、シュンくんのベッドのそばにきて、診察をはじめています。
 こんこん、という咳の音が窓越しに聞こえてきます。

「なんだかとても苦しそうね」
「うん、苦しそう」

 見ていると。お母さんは、クマのお医者さんがシュンくんの胸の音を聴診器で聞いている間に、家から出て行ってしまいました。長い耳を揺らして、大急ぎで。
 お仕事にいったのです。
 子ウサギのシュンくんは咳き込みながらもにっこりして、お母さんに「いってらっしゃい」と言っていました。
 でも。お医者さんがお薬を置いて部屋をでていくと。
 ベッドにいるシュンくんは急に長い耳をしゅんと垂らして、うなだれてしまいました。

「おかあさん、今日も晩ごはん、一緒に食べれなさそう。ごちそうもケーキも高いから、いらないって言っちゃったけど……。僕のお薬代を払うためだもん。しかたないよね」

 二人の天使は顔をみあわせました。

「ウサギの子、なんだか悲しそう」
「そうだね、寂しそう」
「一緒に住んでるのは、お母さんだけなのかしら。もしかしたらお父さん、いないのかしら」
「先にお仕事にいったのかもしれないよ?」
「でもお金に困ってるみたい」
「あれ? あれはなに?」

 ヨルダがヒルダの肩をくいくいつついて、シュンくんを指さしました。
 シュンくんはベッドの下から何かをとりだしています。小さな小さな、透明な瓶です。
 瓶の中には何かきらきらしたものが入っています。

「おかあさん、喜ぶかな」

 トチリさんちのおうちの事情もさることながら。二人の天使は、瓶の中身が知りたくてコツコツ窓を叩きました。

「こんにちは!」「こんにちは!」
 
 はじけるような笑顔を浮かべながら。

つづく



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共作童話 『クリスマスの天使』 第2話|Kobitoのお絵描きブログ