毎日暑いですね。最近私は、ミネラルウォーターを冷やして飲むのが習慣になっています。
メーカーや取水地によって、味がずいぶん異なるので、飲み比べて、好きな味の「サントリー天然水・南アルプス」を飲むようにしています。苦味が無く、後味がすっきりしているのが良いです。

さて、きょうは、ファンタジー小説、『魔法使いサキの物語』の、第12章・第2話を書き進めたので、ご紹介します。

場面は、サドゥの審問官に捕らえられたサキのその後の様子です。



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魔法使いサキの物語 第12章・第2話 『サドゥの牢番』



サドゥの牢獄の地下には、魔法使いを収容するための特別な牢が設けてありました。
牢の石壁には、魔法使いの力を弱める呪文が刻んであり、さらに天井や床、鉄格子には、セイ(声に出す呪文)を無力化するために、音を響かせないようにする呪文が刻んでありました。牢自体が一つのミステル(魔法具)になっていたのです。
今朝がた、審問官の手下の魔法使いたちに捕らえられたサキも、この牢に収容されていました。
サキは何度か、魔法で脱出を試みましたが、声が出せず、牢全体がとても強固な魔法で封じられていることも分かると、あきらめて部屋の隅に座り込みました。
「やっと観念したかね。」
見ると、鉄格子をへだてた通路に、牢番が立っていて、薄ら笑いを浮かべながらこちらを見ていました。
サキは自分に何の罪があるのかと訴えようとしましたが、口がパクパク動くだけで、声がちっとも出ないので、もどかしそうに口をつぐんでにらみ返しました。
牢番は通路のはじの椅子に腰かけて、
「フラトで魔法使い追放の王命が発せられた後、ナーグリアでは魔法使いを入国禁止にした。お前はその禁を破って入国したフラト人なのだから、立派な重罪人さ。」
と言うと、隠しから小瓶を取り出し、これ見よがしに一口あおりました。牢番が長々と息を吐くと、強い酒の臭いがあたりに立ちこめました。
サキは、彼が声のない言葉を聞き取れたことに驚きましたが、すぐに、唇の動きを読んだのだと気が付いて、
『入国禁止の措置が取られているなんて、知らなかったのよ。』と、口の動きだけで反論しました。
「お前が知っていたかどうかなんて、誰にも証明できないことさ。それに、カニエにしてみれば、魔法使いを一人でも多くつかまえて冥土に送るのが仕事なんだ。」
牢番はそう答えると、鉄格子のそばまで来たサキの顔を指さして、
「お前もつくづく運がないよ。フラトにいれば良い思いも出来たろうに、わざわざ死地に赴いて来るとはね。」
『どうしてフラトにいれば良い思いができたというの。魔法使い狩りで、ここと同じように私たちには居場所なんてないのに。』
サキがたずねると、牢番は、再び小瓶から酒をあおって、苦々しそうな、それでいて半笑いのような、よく分からない顔つきになりながら、
「革命が起きたのさ。魔法使いたちが組織する革命軍が、アモス王率いるフラト軍を破って、テトの都を一日で陥落させたのだ。」
と言いました。
サキが息をのんで鉄格子に身を寄せると、牢番はますます得意になって、
「これはまだ、この街の奴らも知らん話でね。カニエが魔法使いをつかまえようと躍起になっている理由が、これでわかったろう。」
と、あたりをはばかることもなく大きな声で言いました。
『革命なんて、魔法使い狩りをしていた市民が、許すはずがないわ。』
牢番は、サキの口つきを見てとると、片方の眉を吊り上げて見せて、小瓶に残った酒をぐいっと飲み干してから、ふっふと笑って言いました。
「魔法動力によって繁栄した国の人々が、便利なものを一切捨てて昔ながらの不便な生活に戻るなんて、我慢ができるはずもなかったってわけさ。」

つづく



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