きょうは、ファンタジー小説『魔法使いサキの物語』の、第11章・第11話を書き進めてみました。

第11章はこの短いお話で終了です。第12章からは、再びサキたちの旅のようすに話が移ります。


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魔法使いサキの物語 第11章・第11話 『タダニへのお礼』

サンバロの埋葬を終えて、三人がタダニのところに戻ると、タダニはずいぶん具合が良くなっていて、すり寄って来たブーの頭をなでてやっているところでした。そこでウルは、タダニをブーに乗せると、ダンケルとマイネを、谷地の西の外れまで、案内して行くことにしました。
一頭残ったあし毛の馬を伴って、岩場を歩き、いくつかの丘を越えると、急に視界が開けて、地平まで続く広々とした枯草の平野に行き着きました。
「ここからは、開けた土地が続くし、領地を争う部族もないから、お前たちだけで進めるだろう。タダニは、俺がマヒャライ族の集落まで送り届けるから、安心しろ。」
ウルはそう言って、タダニと一緒に谷地の方へ引き返そうとしました。
ダンケルは二人を呼び止めると、背負っていた木箱を下ろして、中から黒曜石でできた手水鉢を取り出しました。
そして、
「これはな、スナクフ様という、フラトで一番えらい魔法使いが使っていた、占いを行なうための道具なんだ。お前ならきっと、上手く使いこなせるようになる。」
と言って、ブーを下りて歩み寄ったタダニに手渡しました。
タダニは、その手水鉢を胸に抱いて、両目をとじ、ほほえんでから、
「ああ、おれはこれを使いこなすようになるよ。」
とうれしそうに言いました。
ダンケルとマイネは、タダニが二人に気遣わせないためにそう言うのか、それとも、本当にそう感じているのかよく分かりませんでしたが、これまでと同じように、タダニの言うことを信じることにしました。
タダニは再びブーにまたがり、時々振り返って二人に手を振ると、ウルに付き添われて、谷地をずんずん下り、暮れなずむ弱光の中を、東へ向かって遠ざかって行きました。

つづく


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水鏡のミステルをゆずられたタダニ



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