制作を進めているファンタジーイラスト、「私の物語」に、また少し色を塗ってみたので、公開したいと思います。今回は、主に黒で陰影を強調したのと、ちょうちょや小人などの固有色を塗り進めています。物語の続きも、絵の下に書いてみたので、新しく登場したキャラクターなど、絵を見ながら確認して頂ければと思います☆

私の物語色ぬりB1

「フール!早く来てくれ。何にも見えないよ!」
真っ暗な森の、茂みの向こうから、こんな声がしました。ちょうちょのフールは、さえの頭に止まって、
「早く行きましょうよ。放っておくと、誰かがまた落とし穴に落ちるから。」
と言いました。
そこでさえは、フールの明かりを頼りに、森の中を歩いて行きました。
茂みを抜けると、少し開けた草地があって、真ん中に、幹の太い、一本の木が立っていました。葉っぱの無い、枯れ木のようでしたが、枝が、もぞもぞ動いていたので、さえは恐る恐る、その木に近づきました。すると、それは、落とし穴に落ちて、逆さまになったトン叔父さんで、枯れ枝だと思ったのは、トン叔父さんの根っこだと分かりました。
「トン叔父さん、ジョージはどこなの?」
さえはしゃがみこんで、落とし穴の中に呼びかけました。
「チャッキーから、ランプを取り返そうとしているよー。」
穴の中から、トン叔父さんが答えました。
「じゃあ、そのチャッキーはどこなの?」
「ここからじゃ、何にも見えないよー。」
トン叔父さんは、山の向こうに呼び掛けるような大声で返事しました。それでも、声が遠いので、どうやらとても深い穴のようでした。
その時、さえの横を、小さなものが走り抜けました。それは、緑色の服を着て、白ひげを生やした小人のようでした。小人が、「あいつも迷子になったのだ。」と言いながら、茂みの中に駆け込んだので、さえもその後につづいて、茂みの中に入りました。
茂みの中では、ジョージのほかに、さえの背丈くらいある大きなカエルと、ぬいぐるみのロバが、ビワの木の下に集まっていました。みんな、フールの明かりに照らされると、ホッとした様子で、
「チャッキーがトン叔父さんから、ランプを盗んで、この木に登っちゃったのさ。」と、ビワのこずえを指さしながら、いっせいに同じ事を言いました。
「チャッキー、降りてらっしゃい。」
さえは、チャッキーというのが、どんな動物か知りませんでしたが、ひとまず、暗いこずえに呼びかけました。すると、重なり合った葉っぱの間から、小さなかたまりが、一つ落ちてきました。あわてて受け止めると、それは黄色く熟した、美味しそうなビワの実でした。
「それ、頂けないかしら。この子に食べさせたいの。」
大きなカエルが、胸に抱えた鍋の中の、小さなカエルをさえに見せました。カエルの子供は、とても可愛らしく、「グエック。」と鳴きました。
さえは、お腹がすいていましたが、ビワの実の皮をむいて、そのカエルの子供に、そっと持たせました。カエルの子供は、嬉しそうに、それをムチャムチャ食べはじめました。
「交渉役が、上に行ってるんだ。今、一緒に、ビワを食べているらしいぞ。」
ジョージが、あごをなでながら、考え深そうにうなずきました。



つづく


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ファンタジーイラスト「私の物語」第4話と色ぬり3|Kobitoのお絵描きブログ