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 ちょっとご無沙汰でした。

今日は、童話『アンチャンの小人たち』の、第14話を書き進めてみたので、ご紹介します。

前回のあらすじ
川下りの冒険に出たアンチャン村の小人たちは、魚道の急流を乗り切って、ようやく目的地のスッカラン村の近くまでやって来ました。ところが、スッカラン村があったはずの河原には、人間がレンガ敷きの遊歩道を作っていて、小人たちの楽園だった野原は見る影もなくなっていたのでした。



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アンチャンの小人たち 第14話



念のために、小人たちは走ってひょろ長のクヌギのところまで行ってみました。
だけど、村のあったあたりは、やっぱりレンガですき間なくおおわれていて、かろうじてクヌギの木の根元だけが、円く土の地面を残してあるだけでした。
「なんだってニーンマ(人間)はこんな勝手なことするんだ。おおい、居るかぁ!」
ムスビが、レンガを手で叩いて呼びかけ、うつ伏せになって地面に耳を付けてみました。
すると、なんと、「おーい!ここだよぅ!」と、かすかな声で、返事した者があるのです。
それも、どうも聞き覚えのある声で、みんなには、ケラの声のように思えてしかたがありませんでした。
「ケラかぁ?お前も閉じ込められたのかよう。よし、いま出してやるからなぁ!」
ムスビはレンガのふちをつかむと、うんうん引っぱりながら、「おい、みんなも早く手伝うんだよぅ!」とどなりました。
そこで、他の小人たちも大あわてで、レンガのまわりを取り囲むと、力いっぱい引っぱりはじめましたが、ケラの声は、「そこじゃないよぅ。ここだよぅ!」と、さっきよりもはっきりした声で聞こえてくるのでした。
「ここってそこだろう!」
「そこじゃないったらぁ……、ここだよう!ここだよう!」
声がだんだん近づいてくるので、おかしいと思ってみんなが顔を上げて川下の方を見ると、レンガ道の向こうから、ケラが夢中で手を振りながら、何だか見たことのある大人の小人を連れて、いっさんに走って来るのが見えました。
ユニオが真っ先に駆け出したので、みんなも「生きてたのか!」と言ってケラに走り寄りました。
ケラはユニオに抱き付いて、「ぼく生きてたよ!」と言うと、うしろから走ってきた大人の小人を指さして、「スッカラン村のアシホさんだよ。さっき、ぼくの命の恩人になったの。」と言いました。
その人は、以前みんながスッカラン村に来た時に、ペコン(どんぐりで作った打楽器)を叩いて歓迎してくれた、楽器作りがとても上手な人でした。
「この子が空から降って来た時にゃ、みんな本物のミー(神)だと言って大騒ぎになったんだ。だけど、話を聞いてみると、アンチャン村のタクの息子だと言うじゃないか。それで、みんなは大いそぎで歓迎の準備にとりかかることにし、おれは昔の村のあとに来ているかもしれない、おまえさん方を迎えに来たっていうわけさ。」
「スッカラン村はこの石の下に埋まってるの?」
ムスビがたずねると、アシホさんは、
「まさか、埋まってないよ。ずいぶん前に、ニーンマが川下から、この四角い石で河原の草地を埋めたてはじめたから、みんなで話し合って、村を安全な場所へ移しただけさ。いま村は、あのウヌイ(クヌギ)の木の下にあるよ。」
と言って、そこからちょっと離れた土手の斜面に生えた、土手下のひょろ長のクヌギよりももっと小さな、幼いクヌギの木を指さしました。
そして、みんなを土手の方へ連れて行きながら、
「村の人たちがお前たちの冒険談を聞きたくて、耳を長くしてお待ちかねなんだ。早く行こう。」
と急かしました。アンチャン村の子供たちは、旅の疲れもすっかり忘れて、「そうだ!ぼくらは川下りを成功させたんだ!」と言って跳びはねて喜びました。

つづく


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【新作童話】 アンチャンの小人たち 第14話|Kobitoのお絵描きブログ
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