暖かい秋が続きますが、皆さんいかがお過ごしですか?
先日、夕飯に白菜汁をしたら、とても美味しかったので、暖秋でも冬野菜は順調に旨味を増しているようです。
さて、きょうは、オリジナル童話、「アンチャンの小人たち」の、第11話が書けたので、ご紹介します。

落葉の舟に乗って川下りをする、アンチャン村の小人たちの物語です。
今は、舟が沈没して、たどり着いた無人島を探検している所です。

それでは、さっそく、新しい挿絵とともに、お話の続きをお楽しみ下さい。

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アンチャンの小人たち 第11話


「ケラは舟のあるところで待っててくれよ。」
ウタオがそう言ったので、ケラは崖の端から頭を引っ込め、小人たちは、ウタオにうながされて、ひとまず山を下りて行きました。
ふもとの川岸まで来ると、ウタオはみんなを、さっきツキヨと探検した島の裏側の道に連れて行きました。
そこから山を見あげると、中腹の岩と岩の合い間から、頂上が少し見えたので、ウタオは大きな声で、「ケラ、見えるかい?」と声をかけました。
すると、頂上で、小さな小さなケラが手を振っているのがかすかに見えました。
「これから、ケラに舟を投げてもらうから、みんなでそれを受け取るんだ。」
ウタオの説明を聞いて、小人たちはようやく、ウタオの案というのがどんなものか分かりましたし、これ以上ない上手い案だとも思いました。
ウタオは続けて、
「この道は中腹まで登れるから、上の方で受け取る人も決めるんだよ。そうして、上の人から下の人へ、順々に舟を渡して行くんだ。」
と言ったので、ツキヨはすっかり感心して、
「すっごくいい案だわ!」と言いました。
ムスビも安全そうな案だと分かったので、
「なんだ、いい方法か分からないなんて言ってたが、ふつうの名案じゃないか。」
と言いました。
そこで、みんなはふもとをツキヨに任せて、それぞれに斜面を登って、高い方から順に、ムスビ、ウタオ、ユニオというふうに、一列に並びました。
ムスビが、山の頂上を見あげて、「よーそろー!舟を落とせえ!」と叫びました。するとケラが「おーけーさー!」と返して、ほらの中から落葉を一枚担いで来ると、ムスビにねらいを定めて、崖の端から放り投げました。
もし、これが私たち人間だったら、どんなに小さな舟だって、下の人に狙いを定めて放り投げるなんて、とっても危なくて見ていられません。でも、小人たちの舟といえば、薄くて軽いただの落葉ですから、小さいものだったら、こんなふうに一人で担いで来られますし、高いとこから放り投げたって、ふらふら舞い降りるばかりで、ちっとも危ないことはないのです。
ほら、ムスビを見ていると、落葉の動きに合わせて、岩棚の上で右往左往したのち、ちょうど真下で、両手を広げて上手に受け取ったでしょう?
これもまた、小さいって事の便利なところなのです。

つづく

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【新作童話】 アンチャンの小人たち 第11話|Kobitoのお絵描きブログ