こんにちは。
今日は、ファンタジー小説「魔法使いサキの物語」の、第10章・第4話を書き進めてみたので、ご紹介します。

前回は、魔法庁の役人ダンケルとマイネが、革命を画策する魔法庁の技師長ヘブから辛くも逃れるところまでを書きましたが、今回は、閑話休題で、サキと旅を共にするカイザールが、サキに物語ったミステル職人の言葉です。
ダンケルとマイネは現在、下の挿絵に描かれている、三つのミステル(魔法使いの道具)を所持しています。
左の横笛は、マイネの私物です。まん中のは、サキの忘れ物の小箱です。そして右のは、魔法長官のスナクフから、キッタスに届けるようにと頼まれた、占い用の手水鉢です。
今回のミステル職人の話を読むことで、これから物語に関わってくる、この道具たちの重要性が分かるのではないかと思います。

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魔法使いサキの物語、第10章・第4話
カイザールが物語る「ミステル職人コロビンの言葉」

「ミステルを作る職人は、魔法使いでなければなりません。
それも、一つの道具を、一人の魔法使いが単独で作り上げるのが、もっとも良い方法だとされています。
今では、ミステルの科学的な研究が進んだために、電気の塔のような大きな構造物も作れるようになりましたが、その建造に多くの魔法使いが関わっている分、その機能を維持し、安定的に運用することは非常に困難で、常に優れた魔法使いが相当数その任に当たっていなければならない、という問題を抱えています。
昔ながらのミステルは、むしろ自ら魔法を発するほどの力が込められていますから、維持するための労力などそもそも必要としませんし、使う者を助け、その力を高めこそすれ、それと引き換えに使う者を従属させる、などという本末転倒な事は起こりえないのであります。
もう一つ、重要なのは、優れたミステル職人が、優れた魔法使いだとは限らない、という事です。
逆に言うと、優れた魔法使いだからといって、優れたミステルが作れるわけではないのです。
ミステルを作るには、自然界のあらゆる約束事を、理路整然と把握することのできる、明晰な思考力が必要です。そして、その知識を形にする事のできる、高い工作の技能も身につけていなければなりません。
直観の鋭さが能力を左右する一般の魔法使いと、ミステル職人とは、こういう点が決定的に異なるのです。」

つづく


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