こんにちは。
きょうは、久しぶりに、ファンタジー小説、「忘れかけていた物語」の、第11話を書き進めてみたので、ご紹介します。

このお話は、ルイス・キャロルの、「不思議の国のアリス」のような、奇想天外なユーモア小説にしたいなと思いながら書いています。
”アリス”のような突拍子もない、それでいて無理のない展開にするのは、けっこう難しくて、長いこと考えては、少し書き進める、という感じで取り組んでいます。

下記が、登場人物と、あらすじです。

少女=さえ
かえる(大)=ブーン
かえる(小)=チョコ
緑の小人=グル
赤い小人=ピコ
蝶=フール
テントウムシ=ピック
樹木=トンおじさん
ロバ=ローマン
操り人形=ジョージ
猿=チャッキー
熊=リリィ

あらすじ
十五歳の少女さえは、小さなころは、空想が大好きでしたが、あんまりおかしなことばかり言うので、心配した両親から、空想をやめるように注意されました。
さえは両親を安心させるために、物語を書きためていたノートを、ちり紙交換に出しました。それから何年も経って、さえは物語の内容もすっかり忘れてしまいましたが、ある日、熱を出して寝込んだ時に、妙な世界に迷い込んでしまい、そこで暮らすおもちゃやぬいぐるみたちと出会います。彼らは、悪い魔法使いのズルから物語の世界を取り戻そうとしていて、ズルのところに行くためにはさえの協力が必要だと言うのでした・・・。

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チャッキーはリリィの前に進み出ると、キーキーと鳴きながらクルリと宙返りして、自分で自分に盛んな拍手を送りました。
リリィはまず、上座に立ってふんぞり返ったピコに、ひざを曲げてうやうやしくあいさつをすると、チャッキーの頭の上に赤い帽子をかかげ、エッヘンと咳払いをしてから話しました。
「なんじチャッキーは、このサンタクロースの帽子と引きかえに、これから先はつまみ食いやいたずらを止め、行儀良いお利口な猿になる事を誓うか。」
チャッキーは、両手を広げてぽかんとつっ立っていましたが、あわてて列の中ほどのローマンを振り返ると、肩をすくめながらキキッと鳴きました。
みんなもローマンの方を見たので、ローマンは首をすくめて、
「『なんでそんな誓いを立てなきゃならないんだ?』、と聞いてるよ。」
と、教えました。
フールが、赤い帽子の上にとまって、子供に言い聞かせるように言いました。
「戴冠式では、冠を受け取る者が、自分にとって一番難しい誓いを立てるのが、大昔からの決まりなのよ。」
すると、ピコの横に立ったブーンが、
「いにしえの時代、と言った方が優雅だわね。」
と言ったので、フールは「たしかにね。」と答えると、「いにしえの時代っていつごろなの。」と、トンおじさんに聞きました。
トンおじさんは待ってましたとばかりに、
「さよう、ざっと八百二十万年ほど前じゃな。」
と物知りそうにまぶたをとじてから言いました。
チャッキーは地団太を踏んで、ローマンを振り返ると、キキッキ!と鳴きました。
また、みんながローマンを見たので、ローマンはチャッキーと同じように口をとがらせながら、
「『そんな誓いはまっぴらだ!』と言ってるよ。」
と、教えました。
フールが、
「誓いが立てられないのなら帽子はもらえないわよ。」
と、チャッキーの鼻先をくすぐるように飛びまわって言いました。
チャッキーは地面を両手でたたきながら、ピョンピョン飛び跳ねて、ウッキキ!と高く叫びました。
みんなはまたすぐに、ローマンの顔を見ましたが、今度はローマンは、目をぱちぱちさせながら、首をゆっくり左右に振って、ブルルッと申し訳なさそうに鼻息をついただけでした。
「『帽子なんかまっぴらだ!』と言ってるわ。」
困り顔のローマンを見て、かわいそうに思ったさえが、代わりにチャッキーの言葉を通訳しましたが、みんながいっせいにさえを見て感心したので、とたんに自信がなくなって、小さな声で、
「たぶん。」
と付け足しました。
そこで、リリィは回れ右してピコと向き合うと、
「じゃあ、戴冠式はお開きよ。」
と言って、ピコの頭に丁重に赤い帽子をかぶせました。みんなが「ベラボー!」と言いながらさかんに拍手をしたので、ピコは誇らしげに、
「や、おかげさまで!」と言いながら、まるで王様になったみたいに、上品にみんなに会釈をしました。


つづく



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【ファンタジー小説】 忘れかけていた物語 第11話|Kobitoのお絵描きブログ