お早うございます。
きょうは、ファンタジー小説、「魔法使いサキの物語」の、第10章・第2話を書き進めてみたので、ご紹介します。

挿絵には、これから物語の流れに関わって来るであろう、新たな登場人物が描かれています。

それではさっそく、挿絵の下から、物語の続きをお楽しみ下さい。


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ー魔法使いサキの物語ー第10章・第2話

ダンケルは「ともかく南の検問所へ行ってみようぜ。」と立ち上がって表に出ようとしました。
すると、「その必要はない。」と、入り口からどやどや覆面をした数人が入ってきて、ダンケルの前に立ちはだかりました。
それが先刻、バンサの丘で出くわした野盗たちだったので、ダンケルは飛びのいて拳闘の構えをとり、野盗たちもいっせいに腰の短剣を引き抜いてダンケルに突きつけました。
「まあ待て、これには事情があるのだ。」
野盗のうちの一人がそう言って、覆面を解き、黒髪のほう髪と左右の口元に髭をたくわえた風変わりな顔をさらしました。
「わしは魔法庁の魔法開発局の技師長のヘブだ。お前たちがスナクフから預かったものを引き取りに来た。」
意外な話に、ダンケルとマイネはぽかんと口を開けましたが、マイネが気を取り直して、
「さっきは僕らを襲って荷を奪おうとしたじゃないか。」
と問い質しました。
「あの時はまだ、正体を明かすわけにいかなかったのだ。」
ヘブは仲間に短刀をしまうよう指図すると、
「革命ののろしが上がった今こそ、包み隠さずにこの国の状況を語ろう。」
と言ってダンケルに歩み寄ろうとしましたが、彼がこぶしを固めて再び身構えたので、ヘブは両手を胸の前に上げて戦う気がない事を示しながら、
「スナクフはアモス王の暗殺を企てたかどで失脚した。そしてアモス王は、この国にいるすべての魔法使いを国外追放にするよう布告した。わしらはつい先ほど、都からの伝令でそれを知ったのだ。検問所がもぬけの殻なのも、我々よりも早く伝令を受け取ったからだろう。」
と言いました。
「俺たちが都を離れて、五日しか経っていないんだぞ。そんな大それたことが起こるもんか。」
ダンケルはあいかわらず構えを解かずに言い返しました。
ヘブは懐から一枚の紙を取り出して、
「見ろ、これが二日前に発せられた布告だ。」
と言ってダンケルにさし出しました。
ダンケルは用心しいしいそれを受け取ると、文面にさっと目を通し、文の最後に押された王家の刻印を確かめたうえで、それを後ろのマイネに振り向かずに渡しました。
布告を読んだ二人が、少しおとなしくなったので、ヘブは諭すように、さらに言いました。
「主要な同志以外は、この革命の決起について知らされていない。しかし、我々の闘争の目的を知れば、たとえ国外に逃れていようとも、多くの魔法使いが必ず馳せ参じて我々と共に戦ってくれるはずだ。」
「スナクフ様もあんたたちの計画に加わっていたのか。」
ダンケルが問いました。
「いいや。だが、王家につくか、我々につくか、最後まで迷っていたようだ。わしらは王の暗殺にスナクフを利用したが、そんなことはスナクフなら予知の魔法で簡単に暴(あば)くことができたはずだからな。」
すっかりこぶしを下ろしたダンケルを見て、ヘブはいよいよ胸を張って言いました。
「王の暗殺は失敗したが、革命が終わったわけではない。わしらの目的はな、この国に、魔法使いを指導者とする新たな国家を樹立し、魔法使いとそうでない者たちが真に平等に暮らせる世界を実現することなのだ。」
ダンケルがマイネと顔を見合わせたので、ヘブは、
「わしらと来い。都の周辺にはすでに、革命の同志が集結しているはずだ。そして、お前たちがスナクフから託されたミステル(魔法の道具)こそ、この革命をより確実な成功に導く光明となるだろう。」
と言って、二人に手を差し伸べました。

つづく





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魔法使いサキの物語 第10章・第2話|Kobitoのお絵描きブログ