梅雨です。
雨は、高度500~2000メートルの上空から落ちてきます。私たちの顔に落ちる、その一滴は、秒速6~7メートルで、70秒~300秒もかけて雲から落下して、ようやく到着したものです。
こう考えると、普段何気なく打たれていた雨も、とても尊いものに思えてきます。

さて、今日は、製作中のオリジナル童話、『アンチャンの小人たち』の、第4話を書き進めてみたので、ご紹介します。
小人たちが葉っぱの舟で川下りをするという、ごくシンプルな物語ですが、意外と書き進めるのが難しくて、毎回、ほんの少しずつしか進展しません。

挿絵は、今回で完成で、次回からはまた新しい内容の絵を添えようと思っています。

それでは、挿絵の下から、物語の続きをお楽しみ下さい。

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では、話を舟の上に戻しましょう。
舟のまん中に陣取ったムスビが、かいで岸の小石を突きながら、「帆をあげろ!」と言って、舟を流れに押し出しました。
ケラが、舟の上をくまなく見まわしてから、「どこに帆があるのさ。」と聞きました。ツキヨが「帆を張ったって思ったほうが気分が出るでしょう。」とこっそり教えたので、ケラはなるほどと思って、手を手繰(たぐ)って綱を引くふりをしながら、「帆を五枚も張ったぞ!」と言いました。
舟はするすると流れをくだって、ススキの葉のトンネルをくぐり、白い花がたくさん咲いたハコベの林のそばを通り、やがて村の外れのカラスムギの森の近くまで来ました。
森の傍(かたわ)らに、先日の雨で生えたらしい、一本のひょろ長いキノコが立っていました。一人の小人が、その幹を貝の刃で切り取って、タンポポの皮で編んだかごに集めていました。
小人は川下りをする一行を見付けると、岸辺の石にのぼって、手を振りながら、
「川下りしてんのか。」
と聞きました。ウタオが、
「そうさ。スッカラン村まで行くんだ。」
と答えました。
「おれも乗せてってくれよ。」
川岸の小人が頼みましたが、その時には舟はもうずいぶん下流に通り過ぎていましたし、
「ウヌイの葉っぱは五人乗り!」と、一行が声をそろえて答えたので、川岸の小人は、「次は六人乗りの葉っぱにするんだぞ。」と叫んで、残念そうに舟が遠ざかるのを見送りました。

つづく


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新作童話 『アンチャンの小人たち』 第4話|Kobitoのお絵描きブログ