制作を開始した、『魔法使いサキの物語』の続編となるイラストに、少し色を塗ってみたので公開します。部屋の奥にあるのは暖炉なんですが、暖炉の火が燃えている様子を、私は実際に見た事がないので、部屋の雰囲気などは、映像の記憶などを頼りに再現して行こうと思っています。
オープニングとなる物語も、少し書いてみたので、絵と一緒に楽しんで頂ければと思います☆

雪国の兄妹色ぬり1 正視化縮小

 サキは怒っていました。
カン・ソク先生が、「そろそろ旅に出たい。」それも、「一人で行くつもりだ。」と言い出したからです。
カン・ソク先生は、夜になると、ウシガエルに変身してしまう体質でした。それを治す方法を見つけるために、カン・ソク先生は十代のころから、世界中を一人で渡り歩いて来ました。この十年は、サキの養育のために、サキの家に住んで、生活していたのですが、サキが試験を終えて、正式な魔法使いになったので、この家にいる理由が、なくなってしまったのです。
サキは、いつかカン・ソク先生が、旅に出るのだろうと思っていました。そして、その時は、自分も一緒に行くのだろうと、漠然とながら考えていました。ですから、カン・ソク先生が、一人でこの家を出て行くと知った時、何だか取り残されたような、悲しい気持ちになって、それで腹を立てていたのです。

カン・ソク先生は、旅行鞄に荷物を詰めて、旅立ちの準備を終えましたが、この一週間は、畑の草取りをしたり、村の年寄りの診察に出かけたりして、出立の日取りを、はっきりとサキには伝えませんでした。
「その時が来れば、何となく分かるんだよ。」
カン・ソク先生は、サキから訊ねられても、いつもこんな風に答えました。

ある晩、サキは、眠れなくて、枕元に置いた帽子のトミーに話しかけました。
「ねえ、おじさまは、この家を離れることを、寂しく思わないのかしら。」
トミーは寝ていましたが(帽子だって眠るのです。)、目を覚ますと、
「そりゃあ、寂しいだろうよ。だが、あいつは、ずっと旅暮らしの人生だからなあ。」
と言いました。
「私が、一緒に行くと言ったら、おじさまは、何とおっしゃるかしら。」
サキは、思い切って尋ねました。
「それは喜ぶだろう。だが、当てのない旅だよ。お前さんは、人生を棒に振るだけかもしれない。」
トミーは大あくびをして、すぐにまた眠ってしまいました。

サキは、明日、カン・ソク先生に、一緒に旅をしてもいいか、聞いてみようと思いました。まだ、カン・ソク先生から、学びたい事が、たくさんあるのです。それに、このまま別れたら、二度と会えないような、そんな気もしていました。

気持ちが決まると、サキは安心して眠りに就くことができました・・・。


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【ファンタジー小説】 魔法使いサキの物語 第2章・第1話 『雪国の兄妹』色ぬり1|Kobitoのお絵描きブログ