制作中の童話、『私の物語』の挿絵の、色塗りを少し進めたので公開します。
色があいまいなのは、まだキャラクター達の個性を、十分に把握できていないからだろうと思います。物語を書き進めながら、徐々にそれぞれの個性をつかんでいきたいと思っています☆

私の物語色ぬり4 正視化2縮小

 クスノキのトンと、操り人形のジョージに案内されて、さえは暗い森の中を急ぎ足で歩きました。なぜ急ぎ足かというと、前を行く二人が、とても早足で歩くからです。きっと、二人とも『木』でできているので、森の中を歩くのに、なれているのでしょう。さえは、くたびれてきましたが、置いて行かれたくなかったので、ジョージの手をしっかり握って、一生けんめい歩きました。

その時、さえの足元で、けんかが始まりました。薄暗くて、よく見えませんが、二匹の、リスか何かが、小声でののしり合いながら、さえ達と一緒に歩いているようです。
さえは、歩くのに夢中だったので、構わないようにしましたが、二匹が、さえの足にぶつかりながら、取っ組み合いの大げんかを始めたので、とうとう立ち止まって言いました。
「けんかを止めないと、蹴飛ばすわよ!」
足元が、静かになったので、さえはまた歩き出しました。
ところが、しばらく行くと、二匹が懲りずに、つかみ合って暴れ始めたので、さえは足にぶつかって来た一匹のえりをつかむと、噛みつかれないように、低い茂みの向こうへ、山なりに放り込んでやりました。
それで、もう一匹も、静かになりました。

やれやれと思って、前を見ると、いつの間にか、ジョージ達は先に行ってしまって、あたりはすっかり元の通りのまっ暗闇になっていました。

さえは、腰をかがめて、手探りで進もうとしましたが、その時、何か柔らかいものに触りました。
その途端、小さなものが殴りかかって来たので、さえは両手で防ぎながら、
「私はあんたの、けんかの相手じゃないわ!」
と言いました。
「あれ?お前はあいつじゃないのか。じゃあ、あいつがお前なのか。」
声の主は、そう言って、その場から立ち去ろうとしました。さえはあわてて、
「待って、私また、迷子になってしまうわ!」
と言いましたが、その小さなものは、もう茂みの中へ、入り込んでしまいました。

「ジョージ!」
さえは、大声で木々の向こうに呼びかけました。すると、間もなく行く手から、キラキラ光る、明かりが近づいて来ました。
トン叔父さんのランプだと思って、さえはホッとしましたが、よく見るとどうやら違いました。
それは羽がステンドグラスのように光る、大きな美しい蝶でした。
「ジョージは今、とりこみ中なの。だから、私が迎えに来たのよ。」
蝶は、さえの頭上をくるくる飛び回りながら言いました。さえは、
「ジョージは、何をしてるの?」
と、きれいな羽に見とれながら聞きました。
「トン叔父さんが、先住民の落とし穴に落っこちてね、それで、今、みんなでひっぱり上げているの。」
蝶は、ヒバリのような美しい声でピチピチ笑いました。
「あんなに急いで歩いたら、足元なんか見てないにきまってるわ!」
さえはあきれましたが、トン叔父さんのことが、ちょっと心配になりました・・・。


つづく

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ファンタジーイラスト『私の物語』第3話と色ぬり2|Kobitoのお絵描きブログ