今日はオリジナル童話、『私の物語』の、第8話を、書き進めてみようと思います。
この物語は、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』のような、ナンセンス物語にしたいな、と思いながら書いています。

更新の滞りがちな作品ですが、時々思い出して展開を考えていれば、いつか必ずアイデアが浮かんでくるので、ペンが走り出すまで気長に待つことにしています。

あと、この作品のタイトルは、現在林真理子さんが朝日新聞に執筆中の連載小説の副題と同じなので、別のオリジナリティーのあるタイトルに変更しようと思っています。『私が忘れた物語』というのが、元のタイトルに近く、物語の内容にも即しているので良さそうです。
タイトルを決める時は、一度インターネットでそのタイトルを検索して、他の人がすでに使っていないか、確認すると良いです。『私が忘れた物語』は、幸いまだ使われていないようです。



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挿絵は、今回からまた新しい場面を描きはじめました。とこやみの森で迷子になった、高校生のさえとその仲間たちです。
この絵は、線画まで描き進めているので、次回のお話で彩色して完成させる予定です。


以下が、前回のお話までに名前の分かっている登場人物なので、絵と照らして見て下さい。

少女: さえ
大きなカエル: ブーン
小さなカエル: チョコ
緑の小人: グル
赤い小人: ピコ
七色の蝶: フール
クスノキ: トンおじさん
ロバのぬいぐるみ: ローマン
操り人形: ジョージ
熊のぬいぐるみ: リリィ
?(ビワの木の上に居ます): チャッキー



では、さえの仲間たちの、おかしな自己紹介の続きを、またのぞいてみましょう……。

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「僕の名前は……。」
ジョージが名乗ろうとしましたが、リリィが
「こまったわ。ピコがいないと、チャッキーのバケツがこわれちゃうの。」と言ったので、ジョージは言いかけた自分の名前をごくりとのみ込んでから、「チャッキーは何でもこわしたがるもんな。」と言いました。
「どうして妥結がこわれるの?」さえが聞きました。
「チャッキーは、《名前のない宝石》を渡す交換として、木こりの帽子を欲しがったのよ。バケツを守れないと、チャッキーに宝石を取り返されてしまうわ。」
名前のない宝石というのは、リリィが持っている、小瓶に入った光る石粒の事だわ、とさえは思いました。
「わしの帽子はぜったいに貸さんからな!」
グルが帽子を目深にかぶってわめきました。
「チャッキーは赤い木こりの帽子が欲しいの。緑の帽子では、だめなんだって。」
リリィが言ったので、グルは地団太を踏んで、「何てわがままなんだ!」と言いました。
さえは、
「私、ピコを探して来るわ。ええと、私はどこから来たのかしら。」
と言って、あたりを見回しました。ジョージが、「われられがどこから来て、何者で、どこへ行くのか、知っていたのは君なんだがね。しかし、森を歩き回るなら、土地っ子のトンおじさんに案内してもらうのが一番さ。」
と言ったので、さえは、さっきしたように、口を両手で押さえると、「あっ、トンおじさんが落とし穴にはまってたのを、忘れてた!」と叫びました。
すると、後ろから、
「わしを忘れるとはけしからん!」
と言うのが聞こえました。
振り返ると、そこには、クスノキのトンおじさんが、いつの間にか森の木々にすっかりまぎれて、口をへの字に曲げて、立っていました。
「まあ、まだ穴にはまってるものだと思ったわ!」
さえは喜んで、トンおじさんのそばに行きました。
トンおじさんは、顔についた泥を払ってから、
「一年半も待たされた気分だったわい。だがな、あんまり長く待たされたおかげで、わしは自分で落とし穴から抜け出す方法を編み出したのだ。」
と言いました。
「私、マフラーとか靴下とか、編み出されるものがことのほか好きよ!トンおじさんはどんな物を編み出したの?」
フールがトンおじさんの鼻先で、ひらひら飛びまわりながら聞いたので、トンおじさんは嬉しそうに口ひげをひねって、
「じゃあ話すぞ。わしがクスノキだという事は、みんなもご存知の事と思う。」
と言いました。
すると、フールは、「分かった!本当は、クスノキではないんだわ!」と大声で言いました。
トンおじさんはちょっと心配そうに、「そんなことが、あってもらっては困る!」
と言いました。
そこでフールは、「まったくその通りよ。あなたは誰が何と言おうとまがう事なきクスノキだわ。私、大人しくするから、どうぞ落ち着いて話してね。」と言って、トンおじさんの鼻の頭にとまりました。


つづく



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童話 『私の物語』 第8話|Kobitoのお絵描きブログ