今日は、オリジナル童話、『マーサは釣り人』の第3話を書き進めてみようと思います。
挿絵は、前回線画を紹介した、マーサたちの住む町の景色の、完成版です。
色を塗ると、何が描いてあるか、少し分かりやすくなったのではないかな?


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手前に小川が流れて、小道で各家がつながっています。畑がたくさんと、果樹園が少しある、のどかな町です。
小川には、小さな魚、大きな魚、エビやカニなど、いろいろ居ます。クロードは、バケツと釣竿を持って、しょっちゅうこの小川に遊びに来ています。
マーサはまだ小さいので、今まで連れて来てもらえませんでしたが、家の窓から、クロードが釣りをしたり、エビを捕ったりするのを、時々熱心に見ていました。
だから、今日、釣りに連れて来てもらえる事が、マーサにとってどんなに嬉しいことか、想像できるでしょう?
では、その釣りに行く時の様子を、これからお話ししましょうね。


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クロードは、「ちょっと待ってろよ。」と言って、庭に出て行きました。マーサは熊のぬいぐるみのマーチを、子供部屋から連れて来て、きちんと椅子に座らせてから、言いました。
「あんたは、まだ小さいから、今日はおるすばんよ。いい子だったら、魚の大きいのあげるわよ。」
マーチは、一緒に行きたそうでしたが、食いしん坊だったので、その条件に満足して、こくりとうなずきました。
「さあ、できたぞ。」
クロードが、釣竿とバケツを持って、戻ってきたので、マーサはかけ寄って、「持つわ!」と言いました。
クロードがことわっても、マーサは持つと言って、聞きませんでした。
「お弁当もあるんだぞ。持てないよ。」
「持てる。」
クロードは、仕方なく、バケツをマーサに渡しました。マーサは、右手にバスケットを持ち、左手にバケツを持ってから、「釣竿も持つ。」と言い出しました。
「お弁当もあるんだぞ。落とすぞ。」
「落とさない。」
「ぜったい持てないよ。」
「持てる。」
クロードはあきれましたが、ため息をつくと、一度本人に試させる事にしました。
マーサは、張りきって釣竿を持とうとしましたが、バスケットとバケツで、両手がふさがっていたので、どうしても持てませんでした。そこで、いったんバケツを置いて、釣竿とバスケットを持ってから、バケツを持とうとしましたが、やっぱり両手がふさがっていたので、どうしても持つことができませんでした。
「ほらな、かしてごらん。」
クロードが言ったので、マーサは、おとなしく釣竿を渡しました。そして、「じゃあ、釣竿はお願いするわ。お弁当と、バケツは私に任せてね!」と言いました。
二人は、連れだって裏口から庭に出ました。そのとき、マーサは、バケツの中にチョコレートの缶を見つけたので、いったん荷物を下ろして、それをバスケットにしまいました。
表は気持ちの良い上天気です。いろんな小鳥たちの、のどかなさえずりが、そこかしこから聞こえます。
クロードとマーサは、菜園を通って家の玄関にまわり、そこから表の道をちょっと歩いて、小川につづく低い土手を登りました。
小川は可愛らしい小流れで、冷たそうな澄んだ水には、川底の大きな石やきれいな砂利が、ゆらゆらゆらめきながら透けて見えました。
川の両岸には、細い小道があって、川下には、渡し板くらいの小さな木橋がかかっていました。
この木橋の下で、クロードはいつも、蟹やエビを探しているのですが、マーサはそれを、家の窓から、しょっちゅううらやましそうに、見つめていたのです。
クロードは、その木橋をマーサと一緒に渡り、今度は川上の方へ歩きました。


つづく



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童話 『マーサは釣り人』 第3話|Kobitoのお絵描きブログ