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 今日は、オリジナルのファンタジー小説、『私の物語』の、第7話を、書き進めてみようと思います。
この物語は、去年の1月に第6話を書いて以来、ずっと眠らせておいたものです。実に1年半ぶりの更新です。

挿絵は、前回下絵までご紹介したので、今日は色塗りをした完成版をお見せします。

img574cs-.jpg

1年半の間、色んなお話やイラストを書いてきましたが、この絵に戻ってみると、自分の美意識は、基本的に何にも変っていないな、と思いました。それは、けっこう嬉しいことです。

余談ですが、この物語を休止している間に、朝日新聞で林真理子さん作の『マイストーリー私の物語』という連載小説が始まりました。
内容は、自伝を自費出版する主婦の物語のようです。
ありふれたタイトルとはいえ、同じものがあると分かると、ちょっとがっかりしてしまいます。この気持ち、オリジナル作品を創作したことがある人なら、分かってもらえるのではないかな。

では、いよいよ、私の『私の物語』の、第7話を、書き進めてみようと思います。


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「さあ、それでは、みんなで自己紹介をするわね。」
リリィが、さえと手をつないで、言いました。
「私はフールよ。」
さえの目の前を、きらきら光る七色の蝶が飛び回りました。
「人間が付けた名前は、ステンドグラセラ・ランプラ・アカルスギアナっていうのよ。でも私はフールなのよ。」
「ええ、フールの方がぴったりだわ。」
さえが言うと、フールは、
「でも、ステンドグラセラ・ランプラ・アカルスギアナという名前も、嫌いじゃないのよ。まだ見ぬ国の、由緒正しきお姫様みたいでしょう?」
とたずねました。
「もちろん、すごく立派な名前だわ。」
さえは、難しい方の名前で呼んでほしいと言われなくて、ほんとによかったと思いながら、うなずきました。
「わたくしはブーンと申します。」
そう言ったのは、さえよりも背の高い、二本の足で立っている、丸々としたカエルでした。
「こう見えても、この国の王の母ですのよ。悪い魔法使いズルが王を眠らせてこの国を乗っ取った時、勇かんに戦ったわたくしでしたが、あえなく醜いカエルの姿に変えられてしまったのです。」
「まあ、では、その、お鍋で抱えている、小さいカエルが、王様?」
さえは大人しい子ガエルをしげしげと眺めながら尋ねました。
「この子はチョコという名です。王の体から抜かれた魂だから、言葉が話せないのです。」
とブーンが言いました。
子ガエルはそうだと言うように、「グエック。」っと鳴きました。
ローマンが、ひたいをさえの背中に押し付けて、
「僕の名前は、ローマンっていうんだ。みんなはロバって言うけど―――。」
「自分ではポニーだって思うんでしょう。大丈夫、さっき教わったばかりだから、まだ覚えているわ。」
さえの返事を聞いて、ローマンは嬉しそうにプルルッと鼻を鳴らしました。
突然、緑の服の小人が、
「わしは自己紹介なんかせんぞ!」
とわめき出しました。
「どうしてさ。」操り人形のジョージが聞きました。
「わしは同じものが二つあるのが我慢ならんのだ!二回も自己紹介するなんてばかげとる!」
緑の服の小人は、短い手足を振り回して飛び跳ねましたが、もともと二十センチくらいのぬいぐるみなので、さえには可愛らしくお神楽を踊っているようにしか見えませんでした。
「彼はグルって名前よ。本当は木こりなんだけど、斧を魔法使いに取り上げられてしまって、今では自分をサンタクロースだと思うことにしているのよ。」
フールが言いました。
「そして、彼にはピコという双子の弟が居るの。ピコは赤い服を着ていて、グルよりもずっとサンタクロースに似ていて、やっぱり斧を取られちゃったの。でも、ピコは自分をサンタクロースだとは思っていなくて、斧を取り返して、さっさと木こりに戻りたいと思っているのよ。」
さえはそれを聞いて、はっと口を両手で押さえると、
「さっき私が、茂みの向こうに放り込んじゃったのは、そのピコなんだわ。」
と言いました。


つづく



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ファンタジー小説 『私の物語』 第7話|Kobitoのお絵描きブログ
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