今日は、ファンタジー小説、『魔法使いサキの物語』の、第4章、第4話を書き進めてみようと思います。
挿絵は、この回のために描いたもので、これで完成です。魔法庁の新米役人、ダンケルとマイネが、馬にまたがって野原を行く光景です。


img527cs-.jpg

二人は、魔法長官スナクフの命令で、サキに忘れ物を届けに行くところです。サキは大陸の西の果てにある、ナップという国を目指して、六日前にフラトの都を発ったので、すでに西の国境に着いている頃でした。ただ、魔法庁の出国許可証を持っていないので、そこで足止めされているだろう、というのが、スナクフの見立てでした。
ダンケルとマイネは、サキがすでに、国境を立ち去るか、検問所を通らずに出国していると思っていたので、見つかることはあまり期待せずに、一路西へ向けて馬を走らせていました。

------------------------------------------

マイネは、こう配にさしかかって、ダンケルと並んで馬を止めた時、さっきから考えていたことを口にしました。
「出国許可証も持たないで、どうしてサキは、ナップなんかに行こうとしたんだろう。」
ダンケルは、
「さあな。」
とだけ言いました。彼は、こう配を下った先の、西へ延びる街道を見ていました。
「カン・ソク様の弟子だと言ったり、スナクフ様に面会できたり、そのくせ、かごの中の鳥みたいに世間知らずだろう。とても興味深い子だよ。」
「子供のスリも捕まえられん魔法使いだったな。」
ダンケルは、自分の言葉に笑い出しました。
「いや、それは偽りの姿で、実は有能な魔法使いなのかもしれない。」
マイネの返事を聞いて、ダンケルはいっそう高らかに笑いました。
「それなら、ナップだってどこへだって、自由に行けるさ。心配することはないんだ。」
「ダンケルも心配なんだね。」
マイネは嬉しそうに言いました。
「さあな。」
ダンケルは、とぼけた調子で言うと、馬を操ってこう配を下りはじめました。マイネも笑いながらあとに続きました。
午後のまぶしい太陽が、駆け行く二人を正面から照らしました。

関連記事
拍手ボタン
コメント:
この記事へのコメント:
コメント:を投稿する
本文:
 
『魔法使いサキの物語・第4章』第4話|Kobitoのお絵描きブログ