今日は、制作中のファンタジー小説、『魔法使いサキの物語3』の第14話を書き進めてみようと思います。
挿絵は、色鉛筆で仮塗りをした状態です。窓から差し込む光で、人物が逆光になり、室内はぼんやりとした影に覆われています。
まるで、内緒話をしているような雰囲気ではありませんか?
もし、秘密を持っているとしたら、それは魔法長官スナクフの方でしょう。
なぜなら、サキは、隠し事がとても苦手な魔法使いですから・・・。


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「あなたはてっきり、カン・ソクと一緒に居るものと思っていたわ。」
小箱から取り出されて、普通の大きさに戻ったトミーに、スナクフが言いました。
「色々あってな。俺は今では、サキの帽子なのだ。」
トミーはサキの両手の上で、神妙な顔つきで答えました。
サキがスナクフに尋ねました。
「トミーでも、占いができるでしょうか?」
「ええ、カン・ソクと長く旅をしてきた帽子だから、彼の気配がまだ残っていると思うわ。」
スナクフがこう言うと、トミーは口をゆがめて仏頂面になりました。
サキがトミーを向き直らせました。
「トミー、話を聞いていたでしょう?占いのために、あなたの裏地を、少し分けてもらいたいの。」
「嫌なこった。なんで俺があいつのために、切り刻まれなきゃならねぇのさ。」
「ほんの少しよ。後で、あなたの望む生地で繕ってあげるから。ね?」
トミーは両目をつむって、返事をしませんでした。
スナクフが言いました。
「サキ、あなたが身体を切られる事を恐れるように、トミーも、切られることが怖いのですよ。」
「裏地の切れっぱしくらい、誰が怖いもんかい。俺はあいつのためになることなんか、何一つしてやりたくはねぇんだ!」
トミーがつばをバタバタさせてどなりました。
そこで、サキがなだめました。
「悪かったわ。でも、あなたは、ここまで私を連れて来てくれたでしょう?おじさまの安否を、確かめることができるのは、スナクフ様の占いだけなのよ。お願い、力を貸して。」
トミーは、ゆっくり目を開けて、サキを見上げました。サキは、思い詰めた様子で、唇が少し震えていました。
トミーは「グゥゥ。」と奇妙な息を吐くと、しばらく考えてから、こう言いました。
「あいつが死んでようが、生きていようが、あんたは村に戻るんだ。これ以上あいつを追わないと、約束できるなら、協力してやっても良いぜ。」
「うん。」
サキは強くうなずきました。
スナクフが布きりハサミを持って来たので、トミーはおとなしく裏返されて、サキの手で、裏地を少し、切り取られました。歯を食いしばった所を見ると、やっぱりトミーは、切られる事が、ことのほか恐ろしいようでした。


つづく





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【ファンタジー小説】 魔法使いサキの物語 第3章・第14話|Kobitoのお絵描きブログ