今日は、制作中のファンタジー、「魔法使いサキの物語3」の、第10話を書き進めてみようと思います。
また、今回から、新しい挿絵を描き始めたので、その下絵をご紹介します。


img281cs.jpg

これは一体、誰でしょう?
高齢の婦人のようですが、不思議な雰囲気を持った人ですね。
サキの運命に、どんな風に関わって来るのでしょう?
それは、これから始まる、物語だけが知っています・・・。

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次の日、サキはやはり早朝から、魔法庁に出かけました。
運河の堤防に腰をおろすと、サキはまず、魔法庁の最上階の窓が、閉じられているのを確認してから、運河の上流の、乳白色にかすんだ景色をじっと見つめました。
昨夜、サキはテトの宿屋に、夜遅く戻って来ました。疲れていて、夕食もとらずにベッドに横になりましたが、鷲と争った時の記憶が、繰り返し思い出されて、ほとんど眠る事ができませんでした。

朝日がすっかり昇って、魔法庁の前の通りにも、人々がにぎやかに行き交う時刻になりました。けれど、先日のように、鷲が舞い戻ったり、窓から飛び立ったりする様子は、見られませんでした。
とても朗らかな陽気で、堤防にはちょうど、ダンダナの並木が、涼しげな影を落としていました。
サキは、昨日の疲れもあって、つい、うとうとしてしまいました。

せわしい羽音に驚いて、サキが目を覚ますと、堤防の上に、いつしか一羽の鳩がとまって、不思議そうにサキを見上げていました。
そのくちばしには、ダンダナの小枝がくわえられ、小枝の先には、細い紙きれが結びつけてありました。
「私に?」
サキが問いかけると、鳩は少し頭をまげてから、小枝をサキの手のそばに置きました。
そこで、サキは小枝から紙きれをほどいて、つづら折りになった四角い紙片を開きました。

”紹介状・魔法庁記録管理局”

紙片には、赤い顔料で、こんな文字が押印されていました。
ですが、サキには、この文章が、魔法で紙に張り付けただけの、赤い砂でできたまやかしだと、すぐに分かりました。そして、目を近づけてよく見ると、二つの名詞の、間にある中点が、小さな文字の集まりでできている、という事も分かりました。そこで、サキはそれを指で押さえて、紙の余白まで、ゆっくりと引っ張り出してみました。

”上がって来なさい。”

中点は、すぐに広がって、こんな文章が現れました。
サキは、魔法庁の最上階を見上げました。
鷲の出入りしていた窓が、いつの間にか、大きく開け放たれていました。


つづく




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【ファンタジー小説】 魔法使いサキの物語 第3章・第10話|Kobitoのお絵描きブログ