今日は、制作中のファンタジー、『魔法使いサキの物語3』の、第9話を書き進めてみようと思います。
前回、森の中で、狩りをしている鷲(わし)を見つけることができたサキですが、はたして、魔法長官スナクフとの仲介役として、そう簡単に、この獰猛そうな鷲が協力してくれるでしょうか?

狩りのシーンの挿絵は、今回で完成なので、次回からは、新しい挿絵を描いてみるつもりです。
では、お話の続きを、絵の下からお楽しみ下さい♪


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食事を終えた鷲は、サキを見据えて、しばらくじっとしている様子でした。サキにとっては、好都合でした。彼女の知っている、動物を居すくませる魔法は、相手としばらく目を合わせていなければ、効果がなかったからです。
「それにしても、なんて大きな鷲だろう。そして、なんて冷徹な眼光なの。まるで、私が、釘付けにされそうな気がするわ。」
鷲は、実際、サキの肩ほども背丈がありました。暗褐色の翼は、広げればどこまで大きいのか、見当もつかないくらいです。そして、その眼は、魔法使いとして、優位に立っているはずのサキでさえ、怖気づかせてしまうほど、不思議な迫力を感じさせるものでした。
サキは長い呪文を小声で唱えながら、鷲が大人しくなって行くのを、辛抱強く待つことにしました。
長い間、鷲は身動き一つしませんでした。まるで、時間が止まってしまったのかと思えるほどだったので、サキは呪文を唱えながら、時折自分だけが、動いている時間の中に居るような錯覚を感じさえしました。
そして、頃合いだと思って、鷲に一足歩み寄ったサキは、自分が、恐ろしい場所に近付いている事に気付きました。
それは、自分では、コントロールすることのできない瞬間でした。
鷲は、翼を広げて、少し飛びあがると、耳をつんざくような声で鳴きながら、サキののど元めがけて、爪を突き立てようとしたのです。
サキが、もう一歩、近付いていたら、命はなかったでしょう。
ハッとして、身をかわしたサキは、とっさにベルトに仕込んだ小瓶を引き抜いて、頭上を越えて舞い降りた鷲が、再び飛びかかろうとしたところに、その中身を浴びせかけました。
液体が目に入った鷲は、ギャーッとわめくと、地面をのたうちながら暴れ回りました。
今度はサキが、鷲の背後から両手を広げて飛び掛かりました。驚いた鷲は、ひときわ甲高く叫びながら、振り払おうと身もだえして、サキと一緒にそこら中を、転げ回りました。
サキは必死に翼をつかんでいましたが、鷲は力ずくでその腕を振り払うと、木の葉を舞い散らしながら木立の中を羽ばたいて、ぐんぐん上昇して開けた空に出ると、そのまま悲鳴のような鳴き声を響かせながら遠ざかって行きました。

サキは土ぼこりにまみれて、服も所々破れながら、荒い息で、地面に這いつくばって、鷲の行方を見送りました。
怪我はしていませんでしたが、あんまりびっくりしすぎて、しばらく、動けそうにありませんでした。


つづく





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【ファンタジー小説】 魔法使いサキの物語 第3章・第9話|Kobitoのお絵描きブログ