今日は、久しぶりに、『魔法使いサキの物語3』を、書き進めてみようと思います。
並行して制作していた、帽子のトミーの挿絵は、これで完成です。

フラトの都テトで、ダンケルとマイネという二人の魔法使いに出会ったサキは、問われるままに、カン・ソク先生の事や、トミーの事を話します。

けれど、トミーは、彼らに紹介されても、目を閉じて、返事をしようとしません。

サキと、魔法使い達の会話が続きます・・・。


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「魔法庁にはもう行ってみたのか?」
ダンケルが聞きました。
「いいえ、これから行ってみるの。場所はトミーが知っているわ。」
サキは、ポケットの中の小箱に、そっと手を添えました。
「てことは、トミーはスナクフ様と顔見知りなのかい?」
「分からない。言わないのよ。」
ダンケルと顔を見合わせたマイネは、
「無口な帽子なんだね。」
と言いました。
「鞄、取り返してくれて、本当にありがとう。私、もう行くわ。」
サキが立ち去ろうとすると、ダンケルが呼び止めました。
「俺達、今度の魔法庁の登用試験を受けるんだよ。俺は、去年受けて、落ちたから、二度目なんだけど、こいつは初めてなんだ。」
サキは感心して、二人を見ました。
「魔法使いの試験なの?」
「そう、合格すれば、魔法動力の管理者になれるし、仕事が認められれば、新しい魔法動力の開発にも携われる。だから、毎年腕自慢の魔法使い達が、試験を受けに来るんだ。」
「つまり、今町には、魔法使いがたくさん居るってことだよ。」
マイネが言い添えました。
そこで、サキは、ふと疑問に思って尋ねました。
「じゃあ、どうして私と出会った時、物見遊山か、って聞いたの?試験を受けに来たかもしれないでしょう?」
「子供のかっぱらいも捕まえられない魔法使いだからな。ちょっとからかってみたくもなるさ。」
ダンケルはそう言って、あっけらかんと笑いました。
サキも、「ああ、そうか。」と言って、自分でもおかしくなって、笑ってしまいました。
「そういうわけだから、まあ、気をつけるこった。」
ダンケルが、少し真面目な顔で言いました。すると、マイネが、
「浪人中の、気の立った魔法使いなんかにね。」
と付け加えたので、ダンケルは、マイネのえり首をつまんで、子猫のように持ち上げました。サキは、また笑ってしまいました。この二人は、とても息の合った兄弟のようです。
「分かったわ。ありがとう。」
サキは、二人と別れて、また表通りへ戻る道を、歩いて行きました。



つづく


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【ファンタジー小説】 魔法使いサキの物語 第3章・第5話|Kobitoのお絵描きブログ