今日は、制作中のSF小説、『ハテナ』の、第9話を書き進めてみようと思います。
挿絵も、また新しいシーンを描き始めました。これまでのお話が、ハテナと文を幸せにするために書かれたもの、と感じてもらえるような、さわやかな仕上がりにしたいと思っています。
下のあらすじを参考に、これまでの事と、これからの事に、思いをはせて頂けると嬉しいです。^^

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自らの意思を持たず、指令を忠実に実行するハテナは、宇宙船BASE-9に対して攻撃を仕掛け、無人戦闘機十一機と、BASE-9に備わった、十二の砲台を破壊する事に成功しました。
地球からの通信で、テッペン大佐に制止されたハテナですが、メモリーの中の司令官の序列に混乱が生じていたために、一向に大佐の言う事を聞こうとしません。
大佐は、拉致した文を脅して、ハテナに、破壊行為をやめるように言えと命令しますが・・・。
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img208.jpg

BASE-9の船内では、モニターに映し出されたハテナと、テッペン大佐達のやり取りを、乗員達が、かたずを飲んで見守っていました。エンジンを点火して、この場を逃れようとする事もできましたが、ハテナの正確な射撃が、すぐに船体の急所を打ち抜く事は分かっていたので、うかつに行動することができなかったのです。
その時、為す術なくたたずむ船長の元に、副船長が歩み寄って耳打ちしました。
「五番のビーム砲は、砲筒の一部を破壊されただけです。出力を上げれば、十分に標的を狙えます。」
モニターを見ると、ハテナは、地上との通信に集中しているらしく、動きを止めて、何事かつぶやいているようでした。
船長は、テッペン大佐から、ハテナを破壊せよという命令を受けていました。ですから、テッペン大佐がハテナの注意を引き付けているうちに、攻撃しなければならない、と思いました。
そこで、船長は命じました。
「奴がビーム砲の照準を外した時を狙え。一撃で仕留めるんだ。」

ハテナは、文から名前を呼ばれたとき、自分の中に、今まで気が付かなかった小さな場所がある事を知りました。それは、大切にしないと、簡単に壊れてしまいそうなほど、繊細で、柔らかな光を放っていました。ハテナは、文の声が、その光に、触れたような気がしました。だから、ビーム砲の照準を外して、こう言いました。
「文、僕ね------」
その時、BASE-9の砲台から、鮮やかな光の線が、ハテナに向かって放たれました。
ハテナが光に包まれながらのけ反ったので、文は小さな悲鳴を上げて、モニターの前で目をつぶりました。
恐る恐る、画面を確かめると、ハテナはのけ反った体勢から、くるりと宙返りして、BIRDのビーム砲を構えると、素早くBASE-9の砲台に発射しました。
砲台は音もなくばらばらに砕けて、宇宙空間に飛び散りました。
文は、胸をドキドキさせながら、あらためてハテナを見ました。
そして、びっくりしました。
ハテナが、笑っていたのです。
文の映像を見つめて、本当に嬉しそうに・・・。
ハテナの笑顔を、文は初めて見ました。


つづく

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SF小説「ハテナ」第9話|Kobitoのお絵描きブログ