これは、現在制作中のイラスト、「見習いを修了した魔法使い」の主人公サキの子ども時代を描いた挿絵です。童話の挿絵風にしたかったので、ボールペンで荒く影を付け、アクリル絵の具で素早く色を重ねてあります。
この絵のストーリーを、イラストの下に書いてあるので、良かったら読んでみて下さい☆
(サイズ、17.2×18cm、キャンソンボードにボールペンとアクリル絵の具で彩色)

カン・ソク先生 - コピー調整後正視化やや縮小



カン・ソク先生は、おばあさんのお葬式が終わると、サキを連れて旅に出たがりましたが、サキはおばあさんのお墓を守りたいと言って、この家に残る事を強く希望しました。カン・ソク先生も、おばあさんには何にも恩返しができなかったので、せめてサキの気持ちをくんで、しばらくはこの家でサキを養育する事にしました。
サキは、カン・ソク先生の事を、最初は「お師さま」と呼んでいました。(おばあさんの事も、そう呼んでいたからです。)でも、いつの間にか、「おじさま」と呼ぶようになっていました。おばあさんと区別を付けるためと、カン・ソク先生が、のんきな自由人で、あんまり先生らしく見えなかったからです。
カン・ソク先生が、夜になると牛ガエルになる事は、以前話しましたが、先生はその事をサキには内緒にしていました。夜になると、カン・ソク先生は、サキを残してどこかへ出かけてしまうのです。
サキは一人で心細かったのですが、カン・ソク先生はいつも、「大事な用事。」と言って、出かけてしまうのでした。

ある日、馬車で隣町まで出かけたカン・ソク先生は、道の途中で車輪の外れた馬車に出会います。乗っていたのは花嫁で、このままでは結婚式に間に合わないと言って、父親と一緒にカン・ソク先生の馬車に乗せてくれるように頼みました。
カン・ソク先生は二人を馬車に乗せると、大急ぎで結婚式場の新郎の家まで送ってあげました。
新郎の家では、花嫁が到着した事を大変喜んで、カン・ソク先生を式に招くと、用意された心づくしのご馳走を、次から次へと食べきれないほどふるまいました。

ふらふらに酔っぱらったカン・ソク先生が、家に帰って来たのは夕方でした。サキは、カン・ソク先生を支えて、ベッドまで連れて行くと、そこに休ませて、自分は夕食の準備に戻って行きました。
日が暮れて、サキはカン・ソク先生の様子を見ようと部屋をのぞきました。ろうそくの火をベッドにかざしてみると・・・、そこにはなんと、カン・ソク先生ではなくて、大きな牛ガエルが、ひっくり返って眠っているではありませんか。
「まあ、どこから入ったのかしら?このカエル・・・。」
サキは、おっかなびっくりカエルを抱えると、村のはずれにある池まで、月明かりを頼りに運んで行く事にしました。途中で、カエルは目を覚まして、じたばた暴れましたが、サキはしっかりカエルをつかんで、こう言いました。
「こんな所で迷子になっては、馬車にひかれてしまうわよ!」

池に着くと、サキは「さあ、お前のお家へお帰り。」と言って、カエルを池に放してやりました。カエルが池に落ちるとき「あー!」と叫んだような気がしましたが、サキは気のせいだと思って、安心して家に帰りました。

朝になって、サキが目を覚ますと、カン・ソク先生が、暖炉に火を焚いて、ぶるぶる震えながら、濡れた服を乾かしていました。
「昨日の夜は、雨だったのですか?」
サキは、昨夜、星が見えた空を思い出しながら、カン・ソク先生に尋ねました。先生は、うらめしそうにサキを見上げると、疲れ切った声でこう言いました。
「君が僕を、池に放り込んだんじゃないか!」

それでサキは、カン・ソク先生が、夜になると、牛ガエルの姿になってしまうという事を知ったのでした。^^

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魔法使いサキの物語 第1章・第3話 「カエルになったカン・ソク先生」 挿絵|Kobitoのお絵描きブログ