制作を進めていたファンタジーイラスト、「私の物語」が完成したので公開します。
イラストは、かなり前に描き上がっていたんですが、物語が思いつかなかったので、公開がずいぶん遅れてしまいました。^^;
ナンセンスな童話を書くって、本当に難しいですね。つくづくルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」の素晴らしさが分かってきます。
お話は、まだ全てのキャラクターが登場していないので、次回からは新しい挿絵と一緒にご紹介する予定です☆


img088s.jpg

 ずいぶん長い間、さえたちはビワの木の下で、”交渉役”が下りて来るのを待ちましたが、落ちて来るのは、ビワの実の皮ばかりで、交渉役も、チャッキーという動物も、なかなか下りてきませんでした。
「あいつら、この木のビワをみんな食べちまうつもりなのか?」
木の下に立っていた、緑の服の小人が言いました。
すると、大きなカエルが、
「ジョージ、ちょっと登って確かめて来てちょうだい。」
と言ったので、ジョージは、口をとがらせて、
「僕が木登り下手だって知っているだろう。都会っ子なんだから。」
と言いました。
「ねえ、どうしてランプが必要なの?あなたが居れば十分じゃない。」
ロバのぬいぐるみに寄りかかったさえが、頭にとまったフールに尋ねました。
フールはビックリした様子で、
「だって、あなたが、『あれを無くしたら、私たちはこの《とこやみの森》から絶対に出られないわ。』って言ったからよ。忘れちゃったの?」
と聞きました。
「私、何もかも忘れちゃったの。どうしましょう。」
さえはそう言いながら、自分でも心細くなって来ました。
すると、耳元で誰かが、
「心配ないよ。」
と低い声で言いました。
見ると、ロバのぬいぐるみが、大人しそうな瞳で、さえを見つめていました。「ロバさん、ごめんなさい。私、あなたの名前も、思い出せないの。」
さえが申し訳なさそうに言うと、ロバは、
「僕はね、ローマンって言うんだ。そして、みんなはロバって言うけど、僕は、自分のこと、ポニーだって思うんだ。」
と教えてくれました。
「確かに、ポニーにも見えるわ。ローマン、どうして心配ないの?」
ローマンの首を抱きながら、さえが聞きました。
「僕はね、心配な時は、『心配ないよ』って言うんだ。そしたら、なんとなく心配なくなるよ。」
さえは、胸に手を置いてみて、
「本当ね。あなたとお話ししていると、何だか、心配ないって思えてきたわ。」
と言いました。
ローマンは、嬉しそうに、鼻をぶるぶるっと鳴らしました。



つづく

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ファンタジーイラスト「私の物語」第5話と挿絵完成|Kobitoのお絵描きブログ