制作を進めていた童話「小さな幸せ」の、3枚目の挿絵が完成したので公開します。前回と、あまり変わった所はないんですが、ありんことちょうちょに色ぬりしたのと、野原の色彩を少し濃くして土手の盛り上がりに立体感が出るようにしてみました。(画像をクリックして、表示された絵を再度クリックすると、若干拡大したクリアな画像が見られます。)
物語も、続きを書いてみたので、良かったら絵と一緒にお楽しみ下さい☆
今回は、ありんこのトニに頑張ってもらっています。^^


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「ああ、大変な事になった。私が降りるから、お前はここに居るんだよ。」
ムラサキシジミは、そう言ってクモの糸につかまりました。でも、脚はがたがた、手はぶるぶる震えて、今にもほらの中に落っこちてしまいそうでした。
「だめだよ!そんなことでは!貸してごらん。」
トニは、ムラサキシジミからクモの糸を受け取ると、ほらの中に、頭を下にして、ぶら下がりました。
「なんてかっこうだい!危ないよ!」
ムラサキシジミが止めましたが、トニは、
「この方が早く降りられるよ。」
と言って、するすると降りて行ってしまいました。ムラサキシジミは、はらはらしながら揺れる糸を見つめていましたが、しばらくすると糸の揺れが納まったので、暗闇に向かって、
「トニ、大丈夫かい。」
と呼びかけました。
「頭をぶつけたけど、落ち葉だったよ。」
という返事が聞こえたので、ムラサキシジミは、
「木の根元の方に、横穴があるかい?」
と聞きました。
トニは、ちょっと静かになりましたが、やがて、
「木の根元は、どっちなの?」
と聞き返しました。
ムラサキシジミは、すっかりあきれてしまって、
「やっぱり私が降りよう。」
と言うと、震える手でクモの糸をつかんで、恐る恐るほらの中にぶら下がりました。
トニはその様子を、ほらの底から見上げていましたが、空が急にまぶしく光ったので、目が痛くなって壁の方を見ました。すると、そこに、青空のような青い光が、横穴を照らしているのを見つけました。
「あれ!?大きな穴があいてるよ!あれかな!?」
トニが指すと、ムラサキシジミは、
「気をつけるんだよ。誰が居るか分かりゃしないよ。」
と、早口に言いました。ムラサキシジミは、やっぱり震えがひどくて、クモの糸にしがみついているのがやっとのようでした。
トニは、不思議な青い光を目印に、真っ暗なごつごつした壁を、一生けんめいによじ登って行きました。


つづく

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童話イラスト「小さな幸せ3」完成|Kobitoのお絵描きブログ