用事で出かけた先の、歩道のアーチになった並木が、鮮やかな新緑でとてもきれいだったので、写真に収めてみました。

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本当の新緑は、5月の初めごろだったので、5月の終わりの今時分になると、空の色と同様に、葉の色も少し濃くなって来ています。
森林浴という言葉があるけれど、生き生きとした緑に包み込まれてみると、自然から安心感やエネルギーを与えてもらえる気がします。
花粉症もようやく終わったようですし、気温も程よく、景色もきれいで、本当に良い季節ですね。^^




久しぶりに、ファンタジー小説、『魔法使いサキの物語』を書き進めてみました。今回から、第14章が始まります。

第14章では、ナーグリアを脱出して、交易船に潜り込むことができたサキたち一行のその後の様子を、書いて行きます。
サキは現在、フラトの元国境警備団員カイザールと、ナーグリアで出会ったホピンとレカの母娘と一緒に旅をしています。

魔法使いサキの物語
第14章・第1話「三等船室にて」

ギリーニャ行きのナーグリアの交易船、〝コメッサ号〟に潜り込むことに成功したサキたち一行は、三等船室が男用と女用に分けられていたので、カイザールとひとまず別れて、サキとホピンとレカで、船底近くの女用の船室に下りて、くたびれた身なりの人々でごった返したその部屋の片すみに、なんとか三人分の小さな居場所を確保しました。ホピンは晴れて正式な乗客として、長い船旅を過ごすことができることが決まって、心底ほっとしたようで、薄よごれた板壁にぐったりもたれかかると、「私はもうここから動きたくないよ。」と、うなるようにつぶやきました。
すると、ホピンのすぐ横で、すり切れた敷布にくるまった老婦人が、自分の居場所が狭くなったことに腹を立てて、サキたちに、
「あんたたちは、出港の時は居なかったのに、どっから湧いて出たのかね。」
と嫌味を言いました。
レカが、「乗り遅れたので、泳いで追いかけて、やっとさっき乗り込めたのよ。」と答えると、周りの乗客が「そいつはご苦労だったね!」と言ってどっと笑いましたが、サキとホピンは、レカの大胆さに冷や汗が出る思いでした。
この船が、こうもたくさんの乗客を乗せているのは、イストパ(大陸東部)からシンギ半島への航路が、ナーグリアのサドゥから出ているこの交易船の一本しかないからでした。
激しい荒波と、内海から外洋へ急流のように出て行く潮流に逆らって半島に渡れるほどの優れた船艇を建造できるのは、イストパではまだ、魔法動力の発達した小国フラトと、イストパ最大の貿易国家、ナーグリアだけだったのです。
「あたしは今までに貯め込んだ金を、船賃でほとんど持ってかれたよ。でもいいのさ。半島へ渡れば、ナーグリアの通貨は百倍の値打ちがあるんだから。残りの金でも、田畑を買って、夫と二人で使用人を雇って暮らしていけるくらいはあるよ。」
「為替(かわせ)役人が持ち金を預かってくれるから、船旅の間も安心だしね。」
「そうだよ、でも、引きかえの割符(わりふ)だけは絶対に失くしちゃいけないよ。役人から金を返してもらえなくなるからね。」
女たちがあけすけにそんな会話をしているのが、ホピンの肩にもたれて休むサキの耳に聞こえてきました。
「カイザールさんは、一人でかわいそうね。どうしているかしら。」
サキの隣にしゃがんだレカが聞きました。
「あの人は大丈夫よ。強い人だもの。」
「そうかな。時々、お母さんにそっくりって思うのよ。あの人。」
「どこが?」
「寂しがりやなところ。」
「うん。」
サキは、ちょっとホピンの方を見ました。するとホピンは、目を閉じたまま、
「おませさん。あなたも疲れたでしょう。お休みなさい。」
と、たしなめるようにレカに言いました。
「あら、寝たのじゃなかったの。」
「あなたを野放しにして眠れるほど、お母さんは気丈夫じゃありませんよ。」
サキとレカは、思わず大きな声で笑いましたが、隣の老婦人が目をむいてにらんだので、あわてて口を押さえました。

つづく

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ちょっとすねてしまった私の心境を、絵に描いてみました。


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私みたいに、短気で気弱でこだわりが強くて人間不信な人が、他人を励ますっていうのは、けっこう勇気と根気のいる事なのです。
だから、その励ましがたいして大事に思われていなかったり、不満に思われていると分かると、普通の人以上に傷ついてしまいます。
私にとって、「普通の人」というのは、本当に得体のしれないほど怖い人たちです。
だって、どんなにこちらが気を使っても、ほんの些細なことが気に入らないというだけで、きまって無視をするでしょう。
そういう人から無視されないように会話を継続するなんて、まるで四六時中綱渡りをさせられているようで、くたびれることこの上ないです。
私は誰も傷つけたくないし、誰からも変人扱いされたくありません。

近頃ストレスがたまっているので、愚痴を書いて発散させてもらいました。
ちょっとさっぱりしました。


今日は、タレントの平祐奈さんの似顔絵を描いてみました。
現在活躍中の人のイラストは、これまであまり描いた事がなかったように思いますが、なぜだか今日は、平さんを描きたくなりました。

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平さんの顔は、くっきりとした眉が特徴的ですが、描いてみると、輪郭や目鼻など、非常に洗練された整った形をしているのが分かります。
そして、あごのラインが、ただほっそりしているのではなくて、メリハリのある引き締まった形をしているのが個性になっています。
使用画材は、色鉛筆の黄色と、固形の水彩絵の具です。
いつものように、ハガキ大のケントボードに描いています。

絵が描きたいけれど、何を描くかを決めて描くのはちょっと面倒、という気持ちになったので、白い紙に気ままに色だけ塗ってみる事にしました。(最近は、彩色に固形の水彩絵の具を使っています。色がずらっと並んだ、パレットみたいなのです。毎回絵の具をひねり出す手間がかからないので、とても便利です。)

完成した絵は、見ようによっては風景のようにも思えるけれど、どこかで見た景色の記憶を、無意識に再現したのかな。


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何だかよく分からない絵だけど、自分的には、好きな絵です。









実家で飼っていた猫のハルが、2017年5月2日に天に召されました。享年18歳でした。飼い猫の寿命は平均15歳くらいだそうなので、長生きをした方ですね。

私が書いている童話に登場する猫のキャラクターは、ほとんどすべて、ハルをモデルにして生み出されました。

ハルは18年前に、私が拾って、飼うようになりました。
当時飼っていた犬のロッキー(メス)が、散歩中、突然道端の山の斜面に登って、草むらの匂いをかぎ出したので、おかしいと思って私が覗いてみたら、子猫のハルが、小雨に濡れてうずくまっていたんです。
一緒に倒れていたもう一匹の子猫は、すでに息絶えていました。がけの斜面に居たんですから、恐らく誰か、人間が捨てて行ったんでしょう。
私はハルを手のひらにつつんで、急いで家に帰り、身体を拭いてやって、スポイトで温かいミルクを飲ませました。
しばらくすると、幸い元気を取り戻して、、段ボール箱に砂を敷いた即席のトイレを置いてやると、まだ目も開いていないうちから、寝床を這い出して、箱によじ登って用を足していました。とてもきれい好きな子猫でした。

ハルは大人になってからも、子猫のようなか細い可愛らしい鳴き声でした。
灰色の美しい毛並みで、おとなしくて、人見知りしない、とても飼いやすい猫でした。
何度か、お尻に膿がたまって病院にかかった事がありましたが、それ以外は大した病気もせず、我が家のアイドルとして、本当に心をなごませ続けてくれました。

ハルが居なくなって、悲しいというより、居て当たり前だった存在が居ない、心細さを感じます。
ハルが生きた証しとして、このブログの記事を残します。


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【2006年に描いた、7歳ごろのハルです。新聞の上に載って、読むのを邪魔するのが得意技でした。】





人の横顔の絵が描きたくなったので、こんなイラストを描いてみました。
タイトルは「Kiss Me.(キスして。)」です。
ハリウッド映画のワンシーンのようなイメージで描きました。相手役は、たくましい男よりも、少しおとなしい、優柔不断な男性の方が面白い話になりそうです。

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以前何度か、私の一押しのロックバンドとして、レッド・ツェッパゲイン(Led Zepagain)という、レッド・ツェッペリンのトリビュートバンドを紹介したんですが、ギタリストのジミー桜井さんが今年の初めにバンドを脱退して、ご自身のプロジェクトであるMR JIMMYに活動の場を移したので、今日はそのMR JIMMYのアメリカデビュー公演の動画をご紹介しようと思います。
レッド・ツェッパゲイン時代からのジミー桜井さんのファンであるロバートさんが撮影した動画です。
2017年4月30日、場所は、カリフォルニアのウィスキー・ア・ゴー・ゴーという会場です。


バンドメンバーは、ショーン・ケリー(Vo&ハーモニカ)、ジミー桜井(G)、スコット・ハサウェイ(B&Key)、フランキー・バナリ(Ds)というラインナップです。

ドラムのフランキー・バナリさんは、ランディ・ローズが在籍したことで知られるクワイエットライオットのドラマーで、今回のライブにはゲストでの参加という事です。

レッド・ツェッパゲインが、メンバーの充実でかなり完成度を高めていただけに、ジミー桜井さんの脱退は、とても残念に思えたんですが、新生MR JIMMYで思い切りプレイしている桜井さんを見ていると、この新しいバンドの成長を応援したい、という気持ちになって来ました。

粗削りながら、新鮮さとガッツのあるバンドサウンドだと思います。


きょうは、久しぶりに、短編の童話が書き上がったので、ご紹介します。
題名は、『うぐいすと天使』です。私が好きで繰り返し書いている天使の童話の、新しい一篇です。

創作のモチベーションにしていた存在を突然失った時の、創作者の苦悩と再生、というのが、このお話の隠されたテーマです。
ただ、そんなに難しく考えなくても、素直に楽しめるお話なので、肩肘をはらずに読んでみてください。

うぐいすと天使

春の陽気に誘われて、ひらひら、花びらが舞うように、かわいらしい天使が、空から降りてきました。
天使は毎年しているように、山のふもとの日向の平らな安山岩に腰かけて、春の香りを胸いっぱいに吸い込んだり、羽を伸ばして陽に透かしたり、菜の花畑から舞い込んでくる白や黄色のちょうちょに見とれたりして過ごしました。
そのうち、どこからか一羽の小鳥が飛んできて、やぶのかつらの木の葉の落ちた枝先にとまりました。それは黒曜石のように黒い、つぶらな瞳のうぐいすでした。
天使は嬉しさに脚をぶらぶらさせながら、
「毎年、ここで待っていると、うぐいすは、春一番の歌を聴かせてくれる。今年もやっぱり聴かせてくれるようだ。」
とつぶやきました。
ところが、うぐいすは、くちばしをきっと結んで、うるんだ瞳で空を仰いだきり、いつまでたっても歌おうとはしませんでした。
天使は待ちかねて、とうとう、
「どうして君は歌わないの。君の好きな春だよ。」
と声をかけました。
うぐいすは、はっと我に返ると、天使の方を見て、
「ああ、天使さんでしたか。ええ、私は今、あんまり悲しくて、歌えないのです。」と答えました。
「何がそんなに悲しいの。」
天使が聞くと、うぐいすはそこから見えるいくつかの民家の一軒をくちばしで指し示して、
「あのお庭の桜が綺麗に咲いた、古めかしいお家があるでしょう。あそこに、おじいさんが住んでいてね。以前、私が、いじわるな烏にいじめられて、羽を傷めてお庭に落ちた時に、おじいさんは優しく手当をしてくれて、飛べるようになるまで、そりゃあ親切に面倒を見て下さったんです。私はこんな小さな鳥だから、恩返しなんて大したことはできないけれど、せめて、私の歌い初めの歌声を、おじいさんに聴いてもらおうと思って、毎年春になると、真っ先にこのやぶに下りて来るようにしていたんです。おじいさんも、それに気が付いてくれていたようで、春になると、お庭に出て、私が歌い始めるのを、今日か明日かと、そりゃあ楽しみに待ってくれていたもんです。その、おじいさんが、去年の冬に、死んでしまったと、お家の人が話しているのを、つい今しがた聞いたのです。私は悲しくて、悲しくて、とても春の喜びなんて、歌う気持ちにはなれません。」
と言いました。
「それは悲しいね。」
天使はうぐいすのつらそうな様子を見て、かわいそうに思いました。そこで、
「じゃあ、今年の君の歌声がどんなだったか、僕が天国のおじいさんに伝えてあげようか。」
と聞きました。
うぐいすは飛び上がるほどびっくりして、
「え、そんなことができるんですか。そりゃあもう、そうして頂けるなら、嬉しいなんてもんじゃありませんよ。」と言いました。
「うん。きっと伝えるよ。だから、とびきり上等な歌を歌ってね。」
「分かりました。じゃあ、よく聴いていて下さいね。」
うぐいすははりきって、くっと上を向くと、胸をふくらせて、口をいっぱいに開いて、まるで天国のおじいさんに話しかけるように、磨き上げた美しい声で歌い始めました。
それは本当に透き通って、いかにも春らしい、花の香りのする歌でした。
「とってもいい歌だね。今まで聴かせてもらった中で一等きれいだ。」
手のひらを両耳にそえて、うっとりまぶたを閉じて聴いていた天使は、ぱっちり目を開くと、満足そうにうなずいて、背中の翼をぱたぱたはばたかせながら、たんぽぽの綿毛よりも軽く空に舞い上がりました。
「さあ、これからはあんまり悲しまないで、春の訪れを告げる歌を歌うんだよ。」
「おじいさんは私の事覚えているかしら。」
「心配ないよ。覚えているとも。」
「ええ、おじいさんに、くれぐれもよろしくお伝えください。」
「うん。伝えるとも。」
天使は、来た時と同じように、ひらひら、花びらのように軽やかにただよいながら、空を昇って行きました。
それからしばらくして、桜の花がすっかり雨で散ってしまい、代わりに、みずみずしい若葉が、木々を鮮やかに衣替えさせた頃、天使は再び、空からひらひらと舞い降りてきました。
天使はいつもの、山のふもとの、陽の当たる安山岩の上に腰かけて、風通しのいいやぶの木々を見回しました。すると、やぶの奥から、うぐいすのあの澄んだ歌声が聴こえて来ました。
「おや、すっかり元気に歌っているよ。」
天使はしばらく聴き耳を立てると、
「うぐいす!うぐいす!僕天使だよ。また天から降りて来たよ!」
と呼びかけました。
すると、間もなくうぐいすが、あわてたように飛んできて、かつらの木の枝にとまりました。
「天使さん。どうでしたか。おじいさんと、お会いになれましたか?」
「うん。おじいさんは、君の事をよく覚えていたよ。そして、君が毎年、自分のために歌ってくれていたことが分かって、とても嬉しいって言っていたよ。」
「そうですか。」
「それから、今年も、自分のためにきれいな声で歌ってくれて、ありがとうって言っていたよ。」
「そうですか。」
うぐいすは、目を細めて、ほっとため息をつくと、何度も何度もうなずきました。
「もうおじいさんを想って、悲しくて歌えないなんて事はないね。さっきも上手に歌えていたし。」
「ええ、今は、私の家族のために歌っているんです。先日子供が三羽、生まれたものですから。」
天使はそれを聞いて、手を叩いて喜びました。
「やあ、それはおめでたいね。」
「ありがとうございます。それもこれも、天使さんのおかげです。」
「だって、僕も君の歌を、毎年楽しみにしていたんだもの。また聴けるようになってうれしいよ。」
「ええ、これからは、あんまり悲しまないで、おじいさんを喜ばせるような歌を、お聴かせしますね。」
「うん。うれしいな。楽しみだな。」
天使は、安山岩の上で、ぴょんぴょん飛び跳ねて踊りました。
うぐいすも、ちっち、ちっちと、枝から枝へ、跳びはねながら歌いました。
お日さまがきらきらと輝く、暖かな風のそよぐ午後でした。

おしまい

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