自由に話がしたい

自由に話がしたい
悪気がないことを
分かってくれて
望む言葉だけを
求めない
そういう人と話がしたい。





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大らかに人を受け入れられる人は、残念だけどとても少ない。(私も、それができない一人ですが、努力はしています。)
しかしまた、簡単に人を否定し、拒絶してしまう人の、いかに多いことか。
あるいは、私が特殊な性格で、拒絶されやすいから、人よりも多く、そんな目に遭っていると感じるだけなんでしょうか。
私は話し相手が欲しいのです。というよりも、私という人格をすんなり受け入れてくれる人を、探しているんです。




私はキリスト教徒ではないけれど、キリストの母マリアには、イメージ的な魅力を感じます。
マリアを描いた宗教画では、ラファエロの作品(小椅子の聖母)が一番好きです。
宗教くささのない、活き活きとした若い女性として、マリアを描いているのが特徴です。
私も何となく、マリアらしき人を描いてみました。
母親の子どもを愛する気持ちの強さを、想像しながら描きました。

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 先日、天使のイラスト、『楽しい水浴び』を公開しましたが、きょうは、そのイラストから想を得た、短編の童話が書けたので、ご紹介します。

私の童話は、幼稚園くらいの子どもでも楽しめる分かりやすい内容が多いんですが、漢字はひらがなに開くことなく使用しています。これは、宮沢賢治が、漢字や難しい言葉をどんどん使って、自分の表現したい世界を書き表しているのに共感してのことです。

とはいえ、幼い子どもにも読んでほしいので、もし、気に入った童話があれば、大人がそばにいて読み聞かせてあげて下さい。
子どもにとって難しい言葉は、やさしくかみくだいて説明をしてあげて下さい。
そういうやりとりも、読み聞かせの楽しさになるのではないかなと思います。


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楽しい水浴び

暑い暑い夏の日、空を見あげると、びっくりするくらい立派な雲の山が、そびえ立っていることがあるでしょう。
今日は、その雲の山で起きたことを、お話しします。
雲の山は、産着みたいにまっ白で、とてもやわらかいので、昔から、天使たちのかっこうの遊び場になっているのですが、その、まっ白な山のてっぺんで、昨日、ちょろちょろわき水がしみ出して、丸くてかわいらしい泉ができました。そして、最初にそれを見つけたのは、三人の天使の兄弟でした。
この兄弟は、さっきまで、象やきりんの形を、雲でこしらえて遊んでいたのですが、お日さまがあんまり近くで照らすので、むし暑くなって、涼める場所を探していたのです。ですから、こんな冷たそうな泉は、ちょうどおあつらえ向きでした。
上の二人の天使は、双子だったので、まずはいっしょに泉の中に手を入れてみて、
「冷たいね。」
「うん、冷たい。」
と言いました。
すると、末っ子のまだ言葉もしゃべれない、赤ちゃんの天使も、手を入れてみて、
「アッパイ!」
と言いました。
「だけど、小さい泉だから、一人しか入れそうにないね。」
「じゃあ、赤ちゃんの天使を、先に入れてやろう。」
赤ちゃんの天使は、お兄さんの天使たちに抱えられて、丸い泉のまん中に、座らされました。
泉は、赤ちゃんの天使の、おへそのくらいの深さしかありませんでした。
そこで、お兄さんの天使たちは、水をすくっては、赤ちゃんの天使の背中から、交互にかけてやりました。
赤ちゃんの天使は、うれしそうに、泉の水をバチャバチャ叩いて、しぶきを二人の方に飛ばしました。
「冷たいなあ!」
「うん、冷たい!」
お兄さんの天使たちは、すっかりびしょ濡れになりながら、赤ちゃんの天使の、羽の生えた背中に、水をかけつづけました。
赤ちゃんの天使も、それを見て、ますますうれしそうに、
「アッパイ!」と言いながら、二人のお兄さんに、水をかけ続けました。
しまいには、泉の水が、すっかりなくなって、赤ちゃんの天使が、くぼみの中にきょとんと坐っているだけになりました。
「面白かったね。」
「また、泉が湧いたらいいね。」
お兄さんの天使たちは、そう言うと、両方から、赤ちゃんの天使と手をつないで、天上のお家の方へ、空を飛んで帰りはじめました。
赤ちゃんの天使は、まだ遊びたそうに、雲の山をふり返りました。すると、雲の山は、いつの間にかこはく色に染まって、だんだんに形を変えながら、どこかへ流れて行くようでした。
ですから、明日は、きっと別の雲の山で、泉を探す三人の天使の姿が見られるだろうと、私はつくづく思うのです。

おしまい
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天使のイラスト『楽しい水浴び』が完成しました。
色鉛筆と、セピア色の万年筆で彩色しました。

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固有色(物が持つ実際の色)を塗るのではなくて、目に浮かんだ色を塗るという方法で彩色しています。
鉛筆による下描きをじっと見ていると、私の目には、こういう配色が見えて来るんです。
色鉛筆は、使いたい色がすぐに塗れるという点で、とても便利な画材ですが、光に弱く、色あせが早いので、数年~十数年で描いた当初の鮮やかさが失われてしまいます。
だから、この絵も、数年~十数年後には、色が退色して、スキャナで読み取った画像でしか元の色彩を確認できなくなります。
油絵の具のように、何百年も色が保てる色鉛筆が開発されるといいんですが・・・。



 暑い日が続きますね。私のように、家で冷房を使わない人は、扇風機で室内の風通しを良くして、こまめに水分補給をして、熱中症にならないように気を付けましょう。
さて、きょうは、久しぶりに、天使のイラストを描きはじめたので、その下絵をご紹介します。
イラストのタイトルは、『楽しい水浴び』です。

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絵の中の水辺を見るだけでも、けっこう涼やかな気分になれますね。
それに、水辺で遊ぶ子供たちのはしゃぎ声は、想像するだけで私に元気を与えてくれます。
この鉛筆の下描きの味わいを残すように、セピア色の万年筆でペン入れできたらいいな、と考えています。
天使の描き方が、だいぶ様になって来たようにも思いますが、まだ出来栄えが日によってまちまちなので、良い線がいつも引けるようになりたいです。



毎日暑いですね。最近私は、ミネラルウォーターを冷やして飲むのが習慣になっています。
メーカーや取水地によって、味がずいぶん異なるので、飲み比べて、好きな味の「サントリー天然水・南アルプス」を飲むようにしています。苦味が無く、後味がすっきりしているのが良いです。

さて、きょうは、ファンタジー小説、『魔法使いサキの物語』の、第12章・第2話を書き進めたので、ご紹介します。

場面は、サドゥの審問官に捕らえられたサキのその後の様子です。



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魔法使いサキの物語 第12章・第2話 『サドゥの牢番』



サドゥの牢獄の地下には、魔法使いを収容するための特別な牢が設けてありました。
牢の石壁には、魔法使いの力を弱める呪文が刻んであり、さらに天井や床、鉄格子には、セイ(声に出す呪文)を無力化するために、音を響かせないようにする呪文が刻んでありました。牢自体が一つのミステル(魔法具)になっていたのです。
今朝がた、審問官の手下の魔法使いたちに捕らえられたサキも、この牢に収容されていました。
サキは何度か、魔法で脱出を試みましたが、声が出せず、牢全体がとても強固な魔法で封じられていることも分かると、あきらめて部屋の隅に座り込みました。
「やっと観念したかね。」
見ると、鉄格子をへだてた通路に、牢番が立っていて、薄ら笑いを浮かべながらこちらを見ていました。
サキは自分に何の罪があるのかと訴えようとしましたが、口がパクパク動くだけで、声がちっとも出ないので、もどかしそうに口をつぐんでにらみ返しました。
牢番は通路のはじの椅子に腰かけて、
「フラトで魔法使い追放の王命が発せられた後、ナーグリアでは魔法使いを入国禁止にした。お前はその禁を破って入国したフラト人なのだから、立派な重罪人さ。」
と言うと、隠しから小瓶を取り出し、これ見よがしに一口あおりました。牢番が長々と息を吐くと、強い酒の臭いがあたりに立ちこめました。
サキは、彼が声のない言葉を聞き取れたことに驚きましたが、すぐに、唇の動きを読んだのだと気が付いて、
『入国禁止の措置が取られているなんて、知らなかったのよ。』と、口の動きだけで反論しました。
「お前が知っていたかどうかなんて、誰にも証明できないことさ。それに、カニエにしてみれば、魔法使いを一人でも多くつかまえて冥土に送るのが仕事なんだ。」
牢番はそう答えると、鉄格子のそばまで来たサキの顔を指さして、
「お前もつくづく運がないよ。フラトにいれば良い思いも出来たろうに、わざわざ死地に赴いて来るとはね。」
『どうしてフラトにいれば良い思いができたというの。魔法使い狩りで、ここと同じように私たちには居場所なんてないのに。』
サキがたずねると、牢番は、再び小瓶から酒をあおって、苦々しそうな、それでいて半笑いのような、よく分からない顔つきになりながら、
「革命が起きたのさ。魔法使いたちが組織する革命軍が、アモス王率いるフラト軍を破って、テトの都を一日で陥落させたのだ。」
と言いました。
サキが息をのんで鉄格子に身を寄せると、牢番はますます得意になって、
「これはまだ、この街の奴らも知らん話でね。カニエが魔法使いをつかまえようと躍起になっている理由が、これでわかったろう。」
と、あたりをはばかることもなく大きな声で言いました。
『革命なんて、魔法使い狩りをしていた市民が、許すはずがないわ。』
牢番は、サキの口つきを見てとると、片方の眉を吊り上げて見せて、小瓶に残った酒をぐいっと飲み干してから、ふっふと笑って言いました。
「魔法動力によって繁栄した国の人々が、便利なものを一切捨てて昔ながらの不便な生活に戻るなんて、我慢ができるはずもなかったってわけさ。」

つづく



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2016年08月|Kobitoのお絵描きブログ .893.891.890.888.885.881.879