きょうは、先日から描き始めたハロウィンイラスト『ベビージャックとおばけの仲間たち』が完成したので、ご紹介します。
コピックマルチライナー(0.03mm)でペン入れし、色鉛筆で彩色しました。


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まん中のかぼちゃの赤ちゃんがベビージャックです。連れている犬は、地獄の番犬見習いのダックスフンドで、名前をベロといいます。(ベロは骨のかぶり物と、骨模様の服を着ています。)
空を飛んでいるのは、ろうそくの炎から生まれたコウモリのバーニンです。

以下に、この絵にまつわる短いストーリーを書いてみるので、絵と照らしながら、楽しんでもらえると嬉しいです。

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ハロウィンになると表の世界に現れるという『おかしな者たち』を探すために、ベビージャックたちはかぼちゃの王様に内緒で表の世界に出かけます。
そこでベビージャックたちは、今まで見たことのない珍しいおばけたちが、大通りで行列を作ってパレードをしているのを見つけます。
ベビージャックたちはその中の子供のおばけたちに誘われて、近所の家々を回り、お菓子をしこたまもらって、大喜びでおばけの国に帰って来ました。
勝手におばけの国を抜け出したベビージャックたちに、かぼちゃの王様はお説教しようとしましたが、ベビージャックたちは両手をさし出すと、「いたずらいやなら、お菓子をちょうだい!」と言って、かぼちゃの王様をあきれさせたのでした。

おしまい^^

一日早いですがハッピーハロウィーン!





 もうすぐハロウィンですね。こういう季節のイベントごとに、イラストを描けたら楽しいな、と思うので、今回も思い付いたキャラクターを描いてみる事にしました。
かぼちゃのおばけ、『ジャック・オ・ランタン』の赤ちゃんで、名前はベビージャックです。


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まだ下絵なので、あやふやな箇所もありますが、左上に飛んでいるのはコウモリで、右下に居るのは骨の衣装を着けたダックスフンドです。
チビキャラの描き方の練習も兼ねて描いています。
10月31日のハロウィンまでに、色塗りをして完成させたいと思っています。お楽しみに♪



 きょうは、カラーヒーリングをテーマにしたイラストシリーズ、『二つの心でできたハート』の、3枚目をご紹介します。
カラーヒーリングとは、色彩がもたらす癒しの効果を用いた心理療法のことです。


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燃えているような、反射しているような、まぶしい色彩の絵になりました。
今回も色鉛筆のみを使って彩色していますが、蛍光色の色鉛筆というのを画材屋で見つけたので、この絵で初めて使ってみました。
蛍光色は、光を感じさせる表現に、とても適した色合いだと思います。

この絵を見た人が、心地良さを感じることができたら良いな、と願っています。



 きょうは、オリジナルのナンセンス童話、『忘れかけていた物語』の第9話を、書き進めてみようと思います。

このお話は、これまで『私の物語』というタイトルを付けていましたが、林真理子さんの小説に同じ副題が用いられたので、今回からタイトルを変えてみることにしました。オリジナリティーのあるタイトルのほうが、楽しく書き進めることができますからね。

挿絵も、色塗りがすんでこれで完成です。今回新登場のキャラクターだけ濃い目の色を塗って、見る人の注目が集まるようにしてみました。
それでは、絵の下から、お話の続きをお楽しみ下さい♪


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 トンおじさんは、寄り目でフールを見ながら言いました。
「どんなに首根っこを長くして待っても、お前さんたちは戻ってこない。仕方なくわしはこう考えた。『“遠くの他人より、近くの自分”という言葉もある。幸いわしは頼りになるクスノキだから、大船に乗ったつもりで任せてみよう。』とな。そしたら・・・。」
「大船なんかに乗らなくたって、トンおじさんは水に浮かべるわよ。まがう事なきクスノキだもの。」
フールが口を挟んだので、グルがこぶしを振り上げながら、「だまってろったら、このおしゃべり!」と言いました。
フールが「黙っているって思ったより難しいのよ!」と言って、静かになったので、トンおじさんは、せき払いをしてから、またしゃべり出しました。
「そしたら、わしの頭で、なにやら話し声が聞こえるじゃないか。それも、ずいぶんたくさんの声だ。わしは耳を澄ませたね。すると、ある者がこう言った。『ずいぶん派手に詰まったもんだ。風通しが悪いったらないよ。』それに答えて、また誰かが言った。『日当たりも悪くなるぜ。いや、ここらがとこやみの森になってからは、どこに行ったって日当たりなんかありゃしないんだが。』すると、また別の誰かがしゃべった。『おまけにこの木はさっきまで、首根っこを地中に伸ばしてたんだよ。このまま頭を根っこにするつもりかしら。』『そんなことをされてはたまらん。みんなで力を合わせて押し出すんだ!』」
「わしはピンと来たね。しゃべっているのは、わしの頭の枝葉たちなんだ。だから、風通しが悪くなるだの、日当たりが悪くなるだの、頭を根っこにするだの心配してるんだ。だからわしはこう言ってやった。『そうさ、わしが穴から抜け出せないのは、お前たち自身の問題でもあるんだぞ。早く押し出さないと、わしはこのまま、腹ならぬ、幹をくくって逆さまに根付くぞ!』とな。」
「枝葉たちは、『なんてひねくれたクスノキだろう!』とか、『親木の顔が見てみたいよ!』とか、口々に悪態をついていたが、なあに元をたどればわしの枝葉なんだ、何の遠慮もすることはない。わしが木で鼻をくくった態度なもんだから、枝葉たちもぶつくさ言いながらわしをせっせと持ち上げ始めた。」
「ずいぶん難儀をしたようで、掛け声を合わせてえっちらおっちら押し上げていたが、さすがはわしの枝葉だけあって、この通り、とうとうすっかり、落とし穴から抜け出させてくれたというわけだ。」
さえはトンおじさんの頭を見上げながら、感心して言いました。
「トンおじさんの頭の枝葉は賢いのねえ。」
トンおじさんは、ほくほく笑いながら、
「良い枝葉を持って、わしは幸せ者だわい。」
と言いました。
すると、トンおじさんの頭から、「それはクスノキのかんちがい!」という声が聞こえました。
「かんちがいなものか、お前たちはわしの自慢の枝葉だわい。」
とトンおじさんが答えましたが、さえがトンおじさんの頭を指さして、「いいえ、枝葉じゃないのよ!赤い服の小人よ!」と言ったので、トンおじさんは、自分の頭を見ようと、幹をくねくね動かしてしきりに上を見上げました。
赤い服の小人は、ゆらゆら揺れるこずえの枝につかまって、愉快そうにこんな歌を歌いました。

「さかさまに、
植え付けられた、
ひねくれものの、
クスノキを、
力を合わせて、
押し出したのは、
穴底住まいの、
穴底人さ!」

リリィが拍手しながら、赤い服の小人に言いました。
「ピコ!私たち、あなたを探していたのよ。見つかって、良かったわ!」
「わしも、みんなを探していたから、一石二鳥だな!」
ピコはそう言うと、トンおじさんの幹をつたって、するすると下りてきました。


つづく


 きょうは、昔描いた油絵をご紹介します。
タイトルは、『お前の家』です。

「お前の家」元画像 カットcs-

F4号(242cm×333cm)のキャンバスに紙を貼って、その上に彩色しています。紙を貼ったのは、キャンバスに描いた別の絵を消すためと、貼り付けた紙にしわが寄って、画面がでこぼこになることの面白さを出すためです。

できるだけ単純な線と形で、森、道、家、空を表現するように心がけました。
絵の裏に、「2002.9」と書いてあるので、今から12年前に描いた絵です。

けっこう気に入っている絵で、今でも私の部屋に飾ってあります。
じっと見ていると、奥行きが感じられるのが、面白いな、と思います。


 きょうは、織部焼のイラスト、『織部仙人郷茶碗(おりべせんにんきょうぢゃわん)』が完成したので、ご紹介します。

アクリル絵の具と墨汁を使って彩色しました。


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洞穴が開いたたくさんの岩山があって、それぞれの洞穴に仙人が住んでいるというイメージで描きました。

織部焼にしては、朱色や黄色がやや鮮やか過ぎるんですが、自分の好きな配色具合には仕上がったと思います。

今、3Dスキャナーという、立体物を簡単に作れる機械が注目を集めていますが、こういう平面に描かれた絵を読み取って、立体物にできるようになったら、楽しいでしょうね。^^



 きょうは、オリジナルのファンタジー小説、『魔法使いサキの物語』の第6章第3話を書き進めてみます。
挿絵は、今回からまた新たに描き始めました。
現在のサキは、こういう旅に適した服装で、髪型も、元は二本のおさげでしたが、今は後ろで一つに束ねてあります。


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前回までのあらすじ

フラトの西の国境で、出国許可証を持たないために足止めされていたサキですが、思わぬ事から、出国を許されることになりました。
魔法庁長官スナクフが、王の暗殺を企てたかどで失脚し、フラトに居る魔法使いはすべて、国外追放を命じられたという知らせが、国境警備団長のアムサラの元に届いたのです。
サキにとって、スナクフは師匠カン・ソクの消息を教えてくれた恩人であり、温厚で堅実な人柄も知っているだけに、王の暗殺を企てるなど、にわかには信じられませんでした。

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「スナクフ様がそんなことをなさるはずがないわ!」
サキは戸惑いながらかぶりを振りました。
「もちろん、あの方に限って王を裏切るようなことをなさるはずがない。魔法使いの地位向上を、快く思わない者の計略かもしれない。」
アムサラは、自分の馬の方に歩きながら、後ろをついてくるサキに言いました。
「ここへも、じきに王が差し向けた軍隊がやってくる。出国すれば、二度と戻れないと思え。」
「アムサラたちはどうするの?」
木に結んだ馬の綱を解いたアムサラに、サキが尋ねました。
「王のご気性から言って、布告が撤回されることはない。私たちも、フラトを去る他ない。」
アムサラは、つらそうに口を結ぶと、「さあ、これに乗れ。私はあの馬に乗って行く。」と、灰色の裸馬をあごで示しました。
サキは言うとおりにアムサラの馬にまたがると、裸馬に乗ったアムサラと並んで、検問所へ向けて馬を駆けさせました。
しばらく行くと、検問所の方から馬に乗った二人の国境警備団員が近づいてきました。
一人はカイザールという浅黒い禿頭の男で、アムサラがもっとも信頼している補佐役でした。
「都から早馬が来たようだが。」
アムサラたちと合流したところで、カイザールが尋ねました。
そこで、アムサラはサキに話した通り、都で起こった政変をカイザールたちに伝えました。
そして、「この女を検問所から出国させてくれ。私の馬はこの女に与える。国境警備団西部方面師団は、本日をもって解散する。カリムはこのことを北の各詰所の団員に知らせてくれ。カイザール、すまんが君の馬を私にくれ。私はこれよりクジャトに向かわせてもらう。」
カリムと呼ばれた部下は、すぐさま馬を駆けさせて北へ向かいました。カイザールは、黒馬から降りて、裸馬から下馬したアムサラと馬を交換しました。
黒馬にまたがったアムサラは、「お元気で。」と言うカイザールと握手を交わすと、サキに、「君ははるか遠くにいる馬に気が付き、その姿を見分けることができた。無意識に魔法を使ったのだ。カン・ソク様の弟子だという言葉を、私は疑っていたが、どうやら人を見る目がないのは私の方だったようだ。」と言いました。
そして、「諸君の幸運を祈る!」と言い置くと、馬首を返してテトの方角へ駆けて行きました。
サキはその後ろ姿に、「お気をつけて。ありがとう!」と呼びかけました。
アムサラは振り返らずに遠ざかり、サキたちは彼をゆっくり見送る暇もなく、検問所の方へ馬を走らせました。
検問所は、石灰岩の白壁と大きな丸屋根の、寺院を思わせる堅牢そうな建物でした。
カイザールはサキと共に建物に入ると、部屋にいた二人の団員と、二階の見張り台に上っていた団員を呼び寄せて、都の政変について伝え、南方の検問所への伝令を一人に命じてから、こう言いました。
「これから家に戻る場合は、軍や市民による魔法使い狩りを警戒するように。この国にはもはや我々が安住できる場所など、どこにもないと思え。」
団員たちはカイザールと握手して、別れの言葉を交わすと、足早に部屋から出て、馬を駆ってそれぞれの目的地に去って行きました。
カイザールは、書類棚から分厚い帳面を取り出すと、
「国境警備団員としての最後の仕事だ。」と言って、机に着き、サキの身元を聴き取りながら、書面にその内容を書き写していきました。
聴き取りの途中で、サキが尋ねました。
「アムサラも家族のところへ行ったの?」
「クジャトには彼の女がいる。彼が魔法使いであることを理由に、両親が結婚を許さなかった女だ。アムサラは、その娘がまだ自分を待っていると思っているのだろう。」
カイザールが手を止めずに答えたので、サキはさらに尋ねました。
「あなたも家に帰るの?」
「いや、俺に迎えに行く家族はない。ヘルムードで魔法使い狩りに遭って以来、ずっと一人きりだ。」
サキは自分が、魔法使い狩りについて何も知らない事が、とても情けなくなりました。トミーの言うとおり、自分は魔法使いとして、あまりにも世間知らずなのだと、やっと分かったのです。
国境警備団の人々や、スナクフを含む魔法庁に勤める魔法使いたちの事、そして、この国で暮らす全ての魔法使いたちの行く末がどうなってしまうのか、サキには心配で仕方がありませんでした。

つづく




 きょうは、久しぶりに二次創作イラストを描いてみたので、ご紹介します。
松本零士の漫画が原作のアニメ、『銀河鉄道999』のヒロイン、メーテルです。

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銀河鉄道999のアニメがリアルタイムで放送されていたころ、私はまだ生まれていなかったので、大人になってから、映画版のアニメ(1979年公開)を見ました。
特に、メーテルの、黒一色の毛皮の衣装と、金色の髪が、とても印象に残っています。

メーテルの声優さんは、オードリー・ヘップバーンの声優さんと同じ、池田昌子(いけだまさこ)さんです。
池田さんの声は、母性的でありながら、セクシーさもあって、作中で少年星野鉄郎(ほしのてつろう)を惹きつける不思議な女性、メーテルの声にぴったりです。

映画版の収録では、ラストの鉄郎とメーテルの別れのシーンで、鉄郎の声を務める野沢雅子(のざわまさこ)さんと池田さんが感極まって泣き出し、スタッフももらい泣きして収録がなかなか進まなかったのだそうです。

この絵は、銀河を走る列車「999」の車窓近くの席に座ったメーテルを、実際に見ながらデッサンしているというイメージで描きました。




こんにちは。
きょうは、カラーヒーリングのイラスト、『二つの心を持ったハート・その2』をご紹介します。
カラーヒーリングとは、色の持つイメージを利用した、心理療法の事です。

科学的根拠については詳しく知らないんですが、とりあえず、色や形を見て、自分自身が心地良くなれる絵を目指して描いています。

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この絵は、まん中の、緑とピンクのかたまりが、それぞれ一つの心で、合わさって一つのハートになっている、というイメージです。
『その1』の絵に比べて、ハートの形があいまいになって、それぞれの心がよりはっきりと存在感を主張しているように感じます。

見る人によっては、ハート形とは違う、意味を持った形に見えるかもしれません。

使用画材は、ハガキサイズのケントボードと、色鉛筆のみです。

季節の変わり目は、体調も変化しがちなので、心を健やかに保つためにも、好きな画家の絵などを、じっくり鑑賞してみるのも良いのではないかな、と思います。好きな絵には、カラーヒーリングの効用もあるでしょうからね。


 きょうは、オリジナルの猫の童話『マーサは釣り人』の、第5話を、書き進めてみようと思います。
挿絵は、これで完成です。


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左手に座っている子猫が、クロードとマーサの兄妹、右手に立っているのが、ジローさんとマリアの夫妻と、その子供のルネです。
クロードとマーサは、ジローさんのクルミ林のそばの小川で、釣りをしようとしていたのですが、肝心のえさを、家に置き忘れて来たらしかったので、ひとまず二人で取りに帰ることにしました。
そこへ、ジローさん一家が通りかかり、クロードから事情を聞くと、マーサを見ていてあげるから、忘れ物を取っておいでと言ってくれました。そこでクロードは、お礼を言って、家まで一目散に走って行きました。

今日のお話は、その続きです。

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「なに忘れたの。」
ルネが聞いたので、マーサは、
「えさよ。釣りのよ。」
と言いました。そして、
「私が作ったお弁当、見る?べーさんこんどよ。」
と言って、バスケットを引き寄せました。
ルネはマーサの横にしゃがんで、ふたが空いたバスケットの中から立ちのぼる良いにおいをかいで、
「たべたいな。」
と言いました。
「あんたはさっきお弁当を食べたばかりでないの。」
マリアがあきれて言いました。
マーサは、ベーコンサンドの包みを開こうとして、すみの方に、チョコレートの缶がしまってあるのを思い出しました。
その缶は、もともと、バケツの中に入っていたのを、マーサが気を利かせて、バスケットの中にしまい込んだのです。
マーサは、缶を取り出して、ふたを開けてみました。
すると、中身は、飴玉大のチョコレートではありませんでした。五、六匹くらいの、ミミズだったのです。
「おやまあ。」
マーサがつぶやいたので、ルネも、缶の中をのぞいて、「ミミズだ。」と言いました。
「ミミズならそこらの石の下にいるだろうに。クロードは、家まで取りに帰ることはなかったね。」とマリアが言いました。
「井戸の横で掘ったやつよ。一番釣れるの。」
マーサが教えました。
「どれ、かしてごらん。」
ジローさんが言うので、マーサが缶を渡すと、ジローさんは釣竿を肩にかけて、竿に巻き付けた糸をほどくと、糸の先の釣針に、缶からつまみ出したミミズをひっかけました。
そして、釣竿をマーサに渡しながら、
「あの川底の、大きな丸い岩のあたりに投げてごらん。」
と言いました。
「何を投げるの。」
「ミミズをさ。」
そこでマーサは、竿を小川の方に伸ばして、丸い岩の近くで、糸を少し振って、ミミズをポチョンと流れに落としました。
すると、すぐに、竿の先が、ブルブルふるえはじめました。
「こりゃ、来とるぞ。引いてごらん。」
「何を引くの。」
「糸をさ。」
そこで、マーサは言われたとおりに、竿を立てて、糸を引っぱりました。水の中で、何かがグルグル動き回って、糸も竿も、ぐらぐらはげしく揺れました。
「魚よ!ほら、岩に入った、あ出てきたわ!」
マリアが、マーサをしっかり押さえて、川に落ちないようにしました。
ジローさんも、竿に手を添えて、少し手助けをしながら、「そのまま後ろに下がって、引っ張り上げるんだ。魚をな。」と言いました。
マーサは少しずつ後ずさりして、糸を引っぱりつづけました。だんだん、黒い影がはっきりして、水の上に、バチャバチャと魚が浮かび上がりました。
魚は、そのまま空中を通って、マーサたちのいる草むらに下ろされました。
ルネが捕まえたので、ジローさんが釣針を外し、すぐにマリアが水を汲んだバケツに入れました。
「すごいわあ。マーサは釣りの名人ね。」
マリアに褒められて、マーサは「やったわ!」と言ってバケツに駆け寄りました。そばにしゃがんで、ゆらゆら泳いでいる銀色の魚を、ルネと頭を引っ付けて見下ろしていると、ジローさんが、「うまそうなマスだな。」と言いました。



つづく


2014年10月|Kobitoのお絵描きブログ .592.590.588.586.584.581.580.578.577.574