こんばんは。
今日は、頂き物の置物で遊びながら、童話風のお話を考えてみたいと思います。
置物は、主に、石ころと、落ち葉で作られています。
お話のタイトルは、『ゴンの家』と言います。
ゴンというのは、下の写真の中の、石に描かれた犬です。


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みなさんこんばんは。犬のゴンです。
今日は、私の家を、みなさんにご紹介しようと思います。
家といっても、留守番している、家なんですけどね。



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これが、私が留守番している家です。森と、湖のほとりの、静かな林の中に立っています。
ハツカネズミも一緒に住んでいます。



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屋根の上には、いつも金色のお月様が、顔をのぞかせています。
今日のお月様は、雲がかかって、ちょっと眠たそうな顔をしています。
昨日、花火大会があったせいです。



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家の横手には、いつも、赤や黄色に燃える、きれいな夕日が沈みます。畑の奥の立木が、あんまり熱くて、真っ黒に焦げてしまったように見えます。でも、朝になると、ちゃんと、緑の葉っぱが茂っているんです。燃えなかったんです。



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家の裏手には、丘があって、まっ白な花がたくさん咲いてます。私はここで、よく居眠りをします。
ミツバチが、ブンブンいいます。でも、めったに刺しません。追っぱらわないかぎり、刺しません。



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庭には、池があって、池のまん中に、島があって、亀が住んでいます。亀には、家がないので、今年あたり、作ってやろうと思います。でも、亀の家って、どんなものだか、私、知らないんです。
もし、知っていたら、作り方を教えて下さい。

これが、私の留守番している家です。
たいくつなので、もしよかったら、また遊びに来てくださいね。
待っています。


ゴン


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 今日は制作中のSF小説、『ハテナ』の、第8話を書き進めてみようと思います。
イラストも、新たに描いてみましたが、主人公ハテナの、内面の変化について表したかったので、ちょっと不思議な感じの仕上がりになった気がします。


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下塗りに使った色鉛筆の風合いが、繊細で綺麗に思えたので、絵の具を塗らずに、これで完成にする事にしました。絵の中央の少女は、ハテナの友達の文(ふみ)です。
正面にいるハテナと、見つめ合っているイメージです。

では、これから、この絵にまつわるエピソードを、お話したいと思います------。


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ハテナの通信機に、BASE-9から、コンタクトを求めるシグナルが届いたのは、その時でした。
ハテナはビーム砲の出力をいったん落として、回線を開きました。
すぐに、聞きなれたテッペン大佐の声が、耳に届きました。
”UM-03、直ちに攻撃を中止して、BASE-9に帰投せよ。繰り返す、直ちにBASE-9に帰投せよ。”
ハテナのモニターに、テッペン大佐の姿が映りました。地球から、BASE-9を通じて送信された映像でした。
「お前は僕の最高司令官ではない。それに、お前は僕の味方でもない。」
ハテナは、通信機を通じて、自分の音声をBASE-9に送りました。
すると、テッペン大佐の横から、研究所長のシレットが顔を出して言いました。
”お前にインプットされた指令は敵が送りつけたものだ。トアル軍からのものではない。送信元を調べれば、それが分かるはずだ。”
「どこから送られようと、認証を通過した正式な命令だ。僕はそれを実行する。」
ハテナは再び、ビーム砲の照準をBASE-9に合わせました。
すると、テッペン大佐が、
”最高司令官ならここにいるぞ。任務は直ちに撤回される。”
と言って、画面を退きました。そこには、椅子に腰かけて、じっとこちらを見つめる、悲しそうな文の姿がありました。文は両手をきつく握りしめて、何か言いたそうにしていましたが、言葉にならない様子でした。

ハテナは、文の映像に、釘づけになりました。文の胸には、敵を意味するレッドフラグが灯っていました。

テッペン大佐が、文の肩を小突いて、小声でこう言いました。
「さあ、UM-03に攻撃を止めるよう命じるんだ。そして、BASE-9に帰投するように言え!」
文は、モニターに映し出された、宇宙空間に浮かぶハテナを、震えながら、一心に見つめました。ハテナは、ビーム砲を、こちらに構えて、身動き一つしませんでした。
その時、かすかに、ハテナのつぶやく声が聞こえました。それは、
「ふみ・・・ふみ・・・ふみ・・・ふみ・・・ふみ・・・。」
と、自分の名前を、機械的に呼び続けているのだと分かりました。
文は、ハテナがあまりに可哀想で、声を絞り出すように、
「ハテナ。」と声をかけました。

文の声が、ハテナの耳に届いた瞬間、ハテナの身体を、激しい稲妻のような衝撃が走りました。



つづく


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 今日は、近所の野原が、今、どんな様子か、写真でご紹介したいと思います。
二月も下旬になると、野の花は待ちきれない、といった感じで、寒さの中でも元気に花を咲かせています。


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クローバーの葉っぱの中で、キラキラ光っているのは、オオイヌノフグリの花です。草丈低く、柔らかなマットのように野原に茂ります。意外とファンが多い、野原のアイドルなんだと、最近知りました。^^



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日本水仙の一群です。今が満開で、近くに行くと、香水のような甘い香りが漂って来ます。水仙は、花期の長い花なので、暖かくなるまで、花と葉がかもし出す、しっとりとした風情を楽しむことができます。



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この花は、時々民家の庭先などで見かけるんですが、何という名前かは、まだ分かっていません。外来種でしょうか?色鮮やかなオレンジで、背も30cmくらいになるので、たくさん茂らせると、とても見ごたえがあります。



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こちらは、庭のプランターに植えた、チューリップの、芽が出た様子です。ピンクと、赤色を多めに植えました。今年は、寒波もそれほど厳しくなかったので、たくさんの花が楽しめそうです。^^

今日は、身近な草花の様子を、ご紹介してみました。
また、野原や庭の景色が変わった頃に、写真を撮りに出かけてみようと思います☆

Kobito


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 今日は、いつもの童話やファンタジーとは趣向を変えて、昔描いた、油絵をご紹介しようと思います。
(あんまり時間が経ち過ぎて、懐かしいというより、他の人の絵を見るような、不思議な感覚です・・・。・・;)


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以前住んでいた家は、山のふもとに建っていたので、四季を通じた、山の表情を、間近に観察する事ができました。山は、雨が降ると、湯気を出すことがあるんですが、私はそれを見るのがとても好きでした。
この絵も、たぶんその湯気のイメージを、頭に思い浮かべながら描いたのだろうと思います。(山を見ながら描いたのではなくて、空想の山、ということです。)
物覚えが悪いので、描いた時の気持ちを、すっかり忘れているのが残念ですが、好きな形や、色彩感覚は、今も、そう変わっていないような気がします。

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 今日は、制作中のファンタジー、『魔法使いサキの物語3』の、第3話を書き進めてみようと思います。
挿絵の色ぬりも進めたんですが、まだ色のイメージがはっきりしないので、今回は淡く塗って、配色を確かめるだけにしておきました。
物語は、フラトの都テトで、荷物を少年に盗まれてしまったサキが、イラストの中の二人に、少年を捕まえてもらったところから再開します------。


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「ちくしょう!その笛をやめろ!」
少年は踊りながら、浅黄色の髪の青年に怒鳴りました。そこで、青年は笛を吹くのをやめました。急に身体が自由になった少年は、体勢を崩して、鞄を抱えたまま尻もちをつきました。
大男が、覆いかぶさるように、少年をにらみつけて言いました。
「さあ、いつまで抱えてるんだ。返せよ。」
少年は、鋭い目つきで、大男をにらみ返すと、
「盗んでない。これ、俺の鞄だぞ!」
と言いました。
大男は、確かめるようにサキを見ました。そこで、サキは、「私の鞄よ。返して。」と少年に歩み寄りました。しかし、少年は、鞄を固く握りしめて、けっして放そうとはしませんでした。
三人のやり取りを、面白そうに見ていた笛の青年が、言いました。
「じゃあ、鞄に聞いてみようよ。」
青年は、笛の先で、鞄の腹をぽんと叩きました。すると、どうでしょう、鞄の口が、ひとりでに開いて、「私はこの娘の鞄です!」と、しゃべったではありませんか!しかも、口の中から、蛇のようにのたうつ縄が、シュルシュルッとはい出して、少年の腕を、気味悪くはいのぼり始めたのです。
少年は「わあ!」と叫んで、鞄を放り出しましたが、縄は、少年の両の手首に巻きついて、あっという間に固く結びつけてしまいました。
大男は、放り出された鞄を拾うと、サキに渡しました。
そして、少年に言いました。
「さあ、行進の時間だぞ。市場をぐるっと回って、みんなに顔を覚えてもらうんだ。」
少年は逃げようとしましたが、大男が縄の先をつかんで、すぐに引き戻しました。
サキは、あらためて少年の顔を見ました。薄汚れて、目はぎらついていましたが、まだあどけなさの残る、十歳にも満たない子供でした。
サキは、大男に言いました。
「荷物が戻ったから、もう良いんです。本当に、ありがとうございました。」
「同情なんかいらないよ。こいつ、スリ集団の一味なんだ。」
笛の青年が、たしなめるように言いました。
サキは、少年のそばに寄り添って、
「生きるために、仕方なく加わっている子供も居ると聞きます。許してあげて下さい。」
笛の青年は、大男と顔を見合わせました。大男が、少年をあごで示したので、青年も、苦笑いを浮かべながら、小さく呪文を唱えました。
縄はたちどころに緩んで、少年の腕から、パタリと、道に落ちました。
「もう盗んだりしないでね。」
サキは、少年の顔をのぞき込んで、語りかけました。
少年は、プイッと顔をそむけて、足早にその場を立ち去りました。路地をまっすぐ歩んで、曲がり角まで来ると、少年はサキ達を振り返って、いきなり、
「ばけもの!」
と叫びました。
そして、あ然とするサキをしり目に、大急ぎで、角を曲がって、走り去ってしまいました。
大男は、肩を揺らして、大笑いしました。そして、
「あいつは五分もすりゃ、気晴らしに盗みを働くぞ。お前さんみたいな、お上りさんが、また格好のカモになるんだ。」
と言いました。
サキは、その通りだと思って、しょんぼりとうつむきました。
大男は、サキの風体を、じろじろ眺めてから、あらためて尋ねました。
「お前さん、魔法使いだな。テトへは、物見遊山かい。」
「魔法長官の、スナクフ様にお会いしたいんです。」
サキの答えを聞いて、男達は驚きました。
「誰かの使いなのかい?」
笛の青年に聞かれて、サキは、
「いいえ、私自身に、お願いしたい事があるのです。」
「へぇ!たまげたね。」
大男は、めずらしいものでも見るように、サキを観察しました。笛の青年も、くりくりした目で、サキを見あげながら、
「あんたは、コネがありそうな、貴族の生まれにはとても見えないな。すると、よほど高名な魔法使いの弟子なんだろう。何というお方だい?」
「カン・ソク様です。」
サキの答えを聞いて、二人は、急にはじかれたように笑い出しました。
「どうして笑うんですか?」
サキは、当惑して尋ねました。
「なんだ。本気で言ったのか。」
大男は、まだ笑いながら、
「やめとけよ。箔をつけるなら、もっと自分の程度に見合ったお方の名前を出すもんだ。」
サキは、カン・ソクが、とても有名な魔法使いらしいと、この時初めて知りました。そこで、戸惑いながら、
「私、嘘なんかついてません。」
と言いました。
「じゃあ、その師匠が、嘘ついてたんだ。可哀想に。そいつはな、カン・ソクじゃないよ。偽物だよ。」
サキは、かーっと頭に血が上るのを感じました。カン・ソクのことを、侮辱されたと思ったのです。

つづく

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 今日は、『マーサのお見舞い』のお話の、後編をご紹介します。
イラストも、これで完成です。あんまり濃く塗り過ぎないように、淡い色付けで留めておくことにしたんですが、どうでしょう?
お話と、絵を見くらべて、マーサがどんな子か、あらためて想像して頂けると嬉しいです☆


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私とマーサは、路面電車に乗って、街に出る事にしました。
マーサは、路面電車に乗るのが、初めてだったので、窓の外を流れる家や、お店や、街路樹を、いつまでも飽きずに眺めていました。停車場で待っている人たちが、乗り込んで来る時は、一番の見ものだというように、窓に顔を寄せて、入口から順番に上がって来る人たちのようすを、めずらしそうに見つめていました。

私はマーサに、「『三毛猫が丘』というところで、降りるよ。」と教えました。するとマーサは、停車場に着くたびに、表札を指さして、「これ?」と聞きました。(マーサはまだ、文字が読めません。)
私は、何度か首を横に振って、緑の表札に『三毛猫が丘』と書かれた駅で、私を見あげたマーサに、「ここだよ。降りるよ。」と言いました。
私たちは、運賃箱にお金を入れてから、何人かの人と一緒に、停車場に降りました。、停車場から、少し離れたところに、大きな白い建物が立っているのが見えました。私は、マーサを連れて、車道を渡ると、商店の並ぶ通りを、その白い建物の方に、歩いて行きました。途中、店先に、色とりどりの、バラやガーベラの花を飾った花屋があったので、私はそのお店に入って、白いユリの花束を頼みました。ピンクのリボンを巻いた花束を持って、お店を出ると、マーサは、子熊のマーチを抱いているのに、ユリの花束も、持つと言い出しました。マーサは、花束を持ったことが、今まで一度も、なかったからです。私は、「マーチを私が持って、花束を、マーサが持つようにしようよ。」と提案したのですが、マーサは、「マーチも、花束持ってみたいの。」と言って、聞きませんでした。そこで、私は花束も、マーサに渡すことにしました。
マーサは、ちゃんと、マーチに花束を持たせて、両手で、マーチと花束を上手に抱いて、私の後ろを、ついて来ました。

白い建物に着くと、、私たちは、ガラス張りの広い入口から入りました。
椅子がたくさん並んだ広間の奥には、テレビが置いてあって、何人かの人が、椅子に座ってそれを観ていました。私たちは、たくさんの人が行き交う通路を歩いて、途中のエレベーターのボタンを押しました。
マーサが、「次は、私に押させてね。」
と言うので、私は、自分が子供の時も、そんな事言ったなあ、と思い出しながら、「帰るとき、手が空いていたらね。」と、約束しました。
六階まで昇って、私たちは降りました。

その階には、長い通路の両側に、いくつも部屋がありました。
私たちは、その一つに入りました。

明るい光が、窓から差し込む部屋の奥に、ベッドがあって、女の人が座って、小さな機械の画面を見つめていました。

マーサは、その人が、もうお昼なのに、パジャマのような服を着ているのを見て、ちょっと驚きました。でも、私たちに気がついたその人が、優しく笑って、
「マーサちゃん。いらっしゃい。」と言ったので、その人のそばに行きました。
「本当に、絵で見た通り、可愛いわ~。」
その人は、マーサを、麦藁帽子の上から、そっと撫でました。
「ありがとう。」
マーサは、ちょっとはにかみながら、嬉しそうにお礼を言いました。
私は、マーサに、
「疲れて、休んでいるんだ。花束を渡したら、元気が出るよ。」
と教えました。
マーサは、マーチと一緒に、花束を差し出しながら、
「元気でてね!」
と言いました。
「わー。ありがとう。本当に、元気が出るよ~!」
その人は、花束を受け取ると、それを胸に抱いて、幸せそうに微笑みました。
それで、マーサも、幸せな気持ちになって、マーチを抱きしめると、
「うふふっ」
と笑いました。

・・・これが、『マーサの初めてのお見舞いのお話』、というわけです。^^


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 こんばんは。Kobitoです。
今日は、制作中のSF小説、『ハテナ』の、第7話を書き進めてみようと思います。
このお話を書くとき、私は、他の物語とは違って、登場人物達の、人生に関わっているという、責任感のようなものを感じています。なぜ、そんな風に感じるのかというと、このお話が、実際にあってもおかしくはない内容だからではないかと思います。
人は、機械に対して、より高度な性能を求めています。このまま、科学技術が進歩すれば、いずれは、人が行うすべての行為を、機械が行えるようになるでしょう。
人と同じように行動できて、判断できる機械、それが、感情さえも、獲得したとしたら、私達は、彼らと、どのように向き合って行けば良いのでしょうか?
これは、手塚治虫さんが、『鉄腕アトム』の中で描いた問題でもあります。

アトムは、生まれた時から、感情を持っていたから、人とロボットの関わり方について、悩まされることも度々あったようです。
一方のハテナは、人間らしい、情緒というものを、まだ十分には獲得していないので、人の言うなりに、どんな事でも行ってしまうことができます。
人にとって、より便利なロボットとは、一体どちらでしょうか?

そして、そんな事を考えることが、はたして、人間らしい行為と言えるのでしょうか?


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〈ハテナ、ほら、花が咲いたよ。日々草の花。〉
〈ハテナは、何の花が好き?〉
〈きれいでしょう、ハテナ。〉
〈日々草の、花言葉はね、ハテナ・・・〉
〈ハテナ、ハテナ、ハテナ・・・〉

暗黒の宇宙空間に、ハテナは一人、浮かんでいました。
周囲に散りばめられた無数の星は、凍ったように、またたき一つしません。そして、音も、一切ありません。ですから、ハテナが動かなければ、あたりは、時間が止まったように見えます。

ハテナのモニターに、さっきから、警告のメッセージが表示されていました。何かが、こちらに近付いて来ていました。
ハテナは、じっとして、軌道に身を任せていました。そして、いつでも点火できるように、BIRDのエンジンに指令を送りました。
やがて、行く手に、いくつかの機影が映りました。それは、望遠機能で見た映像でしたが、十一機の、小型戦闘機だと判りました。丸い胴体に、十字に翼が付いた、コンピューター制御で動く、自立型の無人戦闘機です。

それらが、網のように、行く手に散らばって、ハテナを待ち構えていました。

ハテナの目は、その先に浮かぶ、大型宇宙船BASE-9の機体も捉えていました。BASE-9は、普段、外装に灯している灯火を全て消して、紫色の扁平な姿を、地球からの反射光にぼんやりと浮かび上がらせていました。

ハテナは、BIRDの出力を全開にして、まっすぐに無人戦闘機の防衛網の中に飛び込んで行きました。
戦闘機の放つ、ビーム砲の熱線が、音もなく幾筋も、ハテナのすぐ脇をかすめて過ぎました。ハテナは鋭く旋回しながら、手近な一機に狙いを定めると、BIRDの二門のビーム砲を、角度とタイミングを変えて発射しました。
無人戦闘機は、初弾を回避したところへ、二射目が到達したために、機体の上部を撃ち抜かれて、爆発しながら散り散りに弾け飛びました。

「何にも分からないんだ。」

無人戦闘機のコンピューターには、ハテナの人工知能の技術が、応用されていました。ですから、ハテナには、それらの行動パターンが、手に取るように分かりました。一方の無人戦闘機は、研究所にいたころのハテナのデータしかインプットされていないので、ハテナの動きを、ハテナほど正確には予想する事ができませんでした。

ハテナは、激しい砲火の中をさらに直進して、一機の戦闘機を撃破すると、防衛網を突破して、彼方に浮かぶBASE-9のおぼろな機影に近付いて行きました。

BASE-9は、船体の両舷から十二の砲台をせり出すと、ハテナに向けていっせいにビーム砲の熱線を放射し始めました。

ハテナは後方から追って来る戦闘機の一機を、振り向きもぜずに撃墜すると、入り乱れる熱線の嵐の中で、砲台の一つを、出力を落とした熱線で焼き切るように破壊しました。

無人戦闘機は、ハテナがBASE-9を回り込むように移動するので、BASE-9への誤射を防ぐために、攻撃の手を緩めざるを得ませんでした。
ハテナはそこで、動きの鈍った戦闘機を、片っ端から撃ち抜いて行きました。ハテナの手にかかれば、逃げ回るだけの戦闘機など、静止した標的と、さして変わりありませんでした。

------五分の後、無人戦闘機は、全て破壊されました。BASE-9の十二の砲台も、熱線に熔解されて、無残な姿をさらしていました。
それらは、全て、音のない中で行われました。

ハテナはBASE-9の船尾に、ビーム砲の照準を合わせました。そこを撃ち抜けば、燃料タンクが爆発して、BASE-9は、乗員もろとも粉々に吹き飛んでしまうでしょう。

BIRDの砲門が、エネルギーを充てんして、淡紅色の光を放ちました・・・。


つづく


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2013年02月|Kobitoのお絵描きブログ .215.211.209.207.204.200.198