オリジナルの童話、「小さな幸せ」の、2枚目の挿絵を描いてみたので公開します。ありんこのジョーとトニが、ちょうちょのムラサキシジミと出会った場面です。色を塗るかどうか、迷っていますが、少し色が入った方が、草などの形が見分けやすくなって良いかもしれません。ストーリーの続きも、絵の下に書いてみたので、合わせて楽しんで頂ければと思います。

小さな幸せシジミ下絵4 正視化2縮小

ジョーは、川のふちに着くと、ドングリの帽子で水をすくって、それをトニと一緒に抱えました。ドングリの帽子は、トニがすっぽり入れるくらいの大きさでした。水はとても冷たくて、両手が、凍えてしまいそうでした。それでも、ジョーとトニは、うんうん言いながら、その水を抱えて、ムラサキシジミの所まで戻りました。
苔の上に、ドングリの帽子を下ろすと、ジョーはさっきの砂糖のかけらを取り出して、水の中にそっとひたしました。
見えない毛糸のもじゃもじゃが、ゆっくりゆっくり、水の底から広がりました。
砂糖がすっかり溶けてしまうと、ジョーはムラサキシジミに聞きました。
「この幸せなら、どうかしら。」
ムラサキシジミは、コナラの落ち葉から降りて来ると、うっとりその水の匂いをかぎました。
「ああ、春の風の香りだよ。なつかしいねえ。」
「好きなだけ飲んでいいよ。」
ジョーが勧めたので、ムラサキシジミは「本当かい。じゃあ、お言葉にあまえて・・・。」と言って、一生けんめいそれを飲みました。あんまり夢中で飲んだので、ジョー達の分を残すのを、忘れたくらいでした。
ムラサキシジミは、空になったドングリの帽子を見ると、
「ああ、一人で飲んでしまうなんて、私は何て悪いちょうちょだろう。」
と言いました。
ジョーは、
「良いよ。飛べるくらい、元気が出た?」
と聞きました。
ムラサキシジミは、羽をパタパタゆらして、
「もちろん、仲間の所に飛んで行って、冬越しもできるくらい、お腹いっぱいになったよ。」
と言いました。
そして、
「おまえ達、草の種を探しているんだろう。私は、それが山ほどある場所を知っているよ。」
と言いました。
ジョーとトニは、びっくりしました。
そんな所が、本当にあるのでしょうか・・・。
ムラサキシジミは、二人の返事を黙って待っていました。


つづく

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 今回は、私の撮った満月の写真と、早朝に撮った、太陽の写真をご紹介したいと思います。二つの星は、私達の星、地球にとって、もっとも大切な友人です。明日も明後日も、彼らは変わりなく、私達の頭上をめぐり、私達に、さまざまな幸福を与えてくれるでしょう。

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月の光は、太陽の光の反射です。私達は、月を通して、太陽の存在を感じることができます。そして、直視できない太陽に比べて、月はいつまでも観察していられるので、その表情の豊かさを、私達は太陽よりもより多く知っている、という事になると思います。今日の月がどんな表情か、良かったら観察してみて下さい。^^


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これは、午前5時30分ごろの、日の出の写真です。地上の生き物の多くは、まだ寝静まっているようですし、夜行性の生き物たちは、これから寝床に帰ってひと休みする所かもしれません。『未来少年コナン』というアニメでは、太陽エネルギーを高度に利用できるようになった人類が、それを兵器に転用して、地球環境をめちゃくちゃに破壊してしまう、というストーリーが含まれていました。人は過ちを繰り返し、それを、月や太陽が静かに見守っています・・・。


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 オリジナルのファンタジー、『魔法使いサキの物語』の、続編にあたるイラストの、制作のようす、その3です。
今回は、暖炉に火を入れてみました。光源を先に塗ることで、全体の雰囲気がつかみやすくなったと思います。
兄妹の名前が、まだ思い浮かびません。極寒の土地に暮らす、つつましい兄妹という名前です・・・。
物語は、続きを書いてみたので、絵の下からお楽しみ頂ければと思います☆

雪国の兄妹色ぬり2 正視化縮小


 翌朝、サキはカン・ソク先生に、旅に同行したいと打ち明けようと思いましたが、カン・ソク先生は、どこかへ出かけたらしく、家の中に居ませんでした。旅行鞄は、部屋の隅に置いたままなので、きっと村の方に、用事があったのでしょう。サキは、朝食の支度をしながら、カン・ソク先生の帰りを待ちました。

ところが、昼になっても、カン・ソク先生は帰って来ませんでした。サキは、カン・ソク先生が、別れを言えなくて、黙って旅立ったのではないかと思って、気が気ではありませんでした。

その時、サキは、扉の開いた玄関に、何か得体の知れない物体が、立っている事に気が付きました。それは、人の形に切りぬいた、白い木綿のような、薄っぺらなもので、ゆらゆら揺れながら、サキの様子をうかがっているようでした。
サキは思わず悲鳴を上げて、部屋の隅に後ずさりしましたが、カン・ソク先生のいたずらではないかと思ったので、恐る恐る、その物体に近付こうとしました。
「そいつに触るんじゃない!」
そう叫んだのは、サキがかぶった帽子のトミーでした。トミーは、サキにも分かるほどぶるぶる震えていました。

カン・ソク先生が、村の急病人の診療を終えて、家に帰って来たのは、そんな時でした。玄関に立っている、白い影のようなものが、遠くから見えたので、カン・ソク先生は大急ぎで通りを走って、家の前まで来ました。
「サキ!大丈夫か!」
白い影から、少し離れて、家の中に声をかけると、サキの声で、
「ええ、大丈夫です!」
という返事が聞こえました。
白い影が、両手を広げながら、家の中に一歩入ったので、カン・ソク先生は、手近にあった大きな石を魔法で浮かせて、力いっぱいその背中に投げ付けました。
たしかに、当たったようですが、その石は、どこに消えたのか、家の中にも、外にも転がりはしませんでした。白い影は、窓の方へ逃げようとするサキをさえぎるように、白い腕を伸ばして、徐々にサキを、部屋の奥の壁際に、追い詰めて行きました。
「そいつの狙いは、トミーなんだ。渡してしまえ!」
カン・ソク先生が叫びました。サキはゾッとして、トミーを頭に深くかぶり直しました。トミーはガタガタ震えながら、「人でなし!」と叫び返しました。

白い影は、サキを包むようにして、上から覆いかぶさろうとしました。サキは近くに積んであった薬草のかごをひっくり返して抵抗しましたが、それは白い影の体に吸い込まれて、どこにも見えなくなりました。

白い影が、サキに触れようとした、その時、カン・ソク先生が、後ろから鍬(くわ)を振り上げながら駆け寄ると、
「この野郎!」と言いながら、四角い頭を思い切り殴りつけました。
鍬は白い影の体に吸い込まれ、カン・ソク先生も勢い余って、その影の中に頭から吸い込まれてしまいました。

サキが目をあけると、部屋の中はしんとして、白い影も、カン・ソク先生の姿もありませんでした。
サキは、しばらくぼんやりと立っていましたが、やがて、カン・ソク先生の事が心配になって、「おじさま!」と声をかけました。
「あいつは、もうここには居ねえ。ナップに飛ばされたんだ。」
震えの止んだトミーが、沈んだ声で言いました。
ナップというのは、北極近くにある、小さな国の名前です。サキの住む村から、一万キロも離れた場所にあります。
サキはトミーを頭から下して、じっと見つめながら、
「あれは何なの?どうしてあなたを狙っていたの?」
と聞きました。
トミーはサキをじっと見据えて、
「俺は知らねえ。あいつは、前にも俺たちを襲ったんだ。それで、カン・ソクと俺は、ナップに飛ばされた。カン・ソクは、それを俺のせいだと思っているのさ。」
サキには、トミーの言っている事が本当か、自信が持てませんでした。けれど、カン・ソク先生が、危険な状態にある事は確かでした。ナップは、一年を通して雪と氷に閉ざされた、極寒の土地です。それなのに、カン・ソク先生は、夏物の薄い服しか着ていなかったのです。
サキは、一刻も早く、カン・ソク先生を助けに行かなければと思いました。それで、カン・ソク先生の旅行鞄を引っつかむと、引き止めようとするトミーを目深にかぶって、家から疾風のように飛び出しました・・・。



つづく


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二頭身のオリジナルキャラクター、『けろちゃん』の色ぬりのようす、その2です。試しに、うすい色で、けろちゃんの着ぐるみやスカーフを塗ってみました。どうやら背景と馴染みそうな感じです。^^;良かった~。

けろちゃん色ぬり2 縮小


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 下絵の制作過程をご紹介した『けろちゃん』のイラストに、少し色を塗ってみたので公開します。背景は、池や空の色を普通に塗ろうと思っていたんですが、ふと思い浮かんだ色彩があったので、思い切ってそちらの色を、薄く溶いた絵の具で素早く再現してみました。不思議な雰囲気ですが、自分としては面白い感じに仕上がりそうな気がしています。^^

けろちゃん色ぬり1 色強調縮小


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 制作を進めているクロノクロスというゲームのイラストの、色塗りの様子その3です。この絵は、特に描いていて楽しいので、少しずつ想像を膨らませながら進めたいと思っています。^^
前回、水平線が曲がっていたので、真っすぐに見えるように修正してみました。それから、登場人物二人にも、少し色を塗ってみました。キラキラした太陽の下で、ゆったりした時間を楽しんでいる様子が伝わると嬉しいです☆

オパーサの浜色ぬり3色強調b縮小


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 制作を開始した、『魔法使いサキの物語』の続編となるイラストに、少し色を塗ってみたので公開します。部屋の奥にあるのは暖炉なんですが、暖炉の火が燃えている様子を、私は実際に見た事がないので、部屋の雰囲気などは、映像の記憶などを頼りに再現して行こうと思っています。
オープニングとなる物語も、少し書いてみたので、絵と一緒に楽しんで頂ければと思います☆

雪国の兄妹色ぬり1 正視化縮小

 サキは怒っていました。
カン・ソク先生が、「そろそろ旅に出たい。」それも、「一人で行くつもりだ。」と言い出したからです。
カン・ソク先生は、夜になると、ウシガエルに変身してしまう体質でした。それを治す方法を見つけるために、カン・ソク先生は十代のころから、世界中を一人で渡り歩いて来ました。この十年は、サキの養育のために、サキの家に住んで、生活していたのですが、サキが試験を終えて、正式な魔法使いになったので、この家にいる理由が、なくなってしまったのです。
サキは、いつかカン・ソク先生が、旅に出るのだろうと思っていました。そして、その時は、自分も一緒に行くのだろうと、漠然とながら考えていました。ですから、カン・ソク先生が、一人でこの家を出て行くと知った時、何だか取り残されたような、悲しい気持ちになって、それで腹を立てていたのです。

カン・ソク先生は、旅行鞄に荷物を詰めて、旅立ちの準備を終えましたが、この一週間は、畑の草取りをしたり、村の年寄りの診察に出かけたりして、出立の日取りを、はっきりとサキには伝えませんでした。
「その時が来れば、何となく分かるんだよ。」
カン・ソク先生は、サキから訊ねられても、いつもこんな風に答えました。

ある晩、サキは、眠れなくて、枕元に置いた帽子のトミーに話しかけました。
「ねえ、おじさまは、この家を離れることを、寂しく思わないのかしら。」
トミーは寝ていましたが(帽子だって眠るのです。)、目を覚ますと、
「そりゃあ、寂しいだろうよ。だが、あいつは、ずっと旅暮らしの人生だからなあ。」
と言いました。
「私が、一緒に行くと言ったら、おじさまは、何とおっしゃるかしら。」
サキは、思い切って尋ねました。
「それは喜ぶだろう。だが、当てのない旅だよ。お前さんは、人生を棒に振るだけかもしれない。」
トミーは大あくびをして、すぐにまた眠ってしまいました。

サキは、明日、カン・ソク先生に、一緒に旅をしてもいいか、聞いてみようと思いました。まだ、カン・ソク先生から、学びたい事が、たくさんあるのです。それに、このまま別れたら、二度と会えないような、そんな気もしていました。

気持ちが決まると、サキは安心して眠りに就くことができました・・・。


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 制作中の童話、『私の物語』の挿絵の、色塗りを少し進めたので公開します。
色があいまいなのは、まだキャラクター達の個性を、十分に把握できていないからだろうと思います。物語を書き進めながら、徐々にそれぞれの個性をつかんでいきたいと思っています☆

私の物語色ぬり4 正視化2縮小

 クスノキのトンと、操り人形のジョージに案内されて、さえは暗い森の中を急ぎ足で歩きました。なぜ急ぎ足かというと、前を行く二人が、とても早足で歩くからです。きっと、二人とも『木』でできているので、森の中を歩くのに、なれているのでしょう。さえは、くたびれてきましたが、置いて行かれたくなかったので、ジョージの手をしっかり握って、一生けんめい歩きました。

その時、さえの足元で、けんかが始まりました。薄暗くて、よく見えませんが、二匹の、リスか何かが、小声でののしり合いながら、さえ達と一緒に歩いているようです。
さえは、歩くのに夢中だったので、構わないようにしましたが、二匹が、さえの足にぶつかりながら、取っ組み合いの大げんかを始めたので、とうとう立ち止まって言いました。
「けんかを止めないと、蹴飛ばすわよ!」
足元が、静かになったので、さえはまた歩き出しました。
ところが、しばらく行くと、二匹が懲りずに、つかみ合って暴れ始めたので、さえは足にぶつかって来た一匹のえりをつかむと、噛みつかれないように、低い茂みの向こうへ、山なりに放り込んでやりました。
それで、もう一匹も、静かになりました。

やれやれと思って、前を見ると、いつの間にか、ジョージ達は先に行ってしまって、あたりはすっかり元の通りのまっ暗闇になっていました。

さえは、腰をかがめて、手探りで進もうとしましたが、その時、何か柔らかいものに触りました。
その途端、小さなものが殴りかかって来たので、さえは両手で防ぎながら、
「私はあんたの、けんかの相手じゃないわ!」
と言いました。
「あれ?お前はあいつじゃないのか。じゃあ、あいつがお前なのか。」
声の主は、そう言って、その場から立ち去ろうとしました。さえはあわてて、
「待って、私また、迷子になってしまうわ!」
と言いましたが、その小さなものは、もう茂みの中へ、入り込んでしまいました。

「ジョージ!」
さえは、大声で木々の向こうに呼びかけました。すると、間もなく行く手から、キラキラ光る、明かりが近づいて来ました。
トン叔父さんのランプだと思って、さえはホッとしましたが、よく見るとどうやら違いました。
それは羽がステンドグラスのように光る、大きな美しい蝶でした。
「ジョージは今、とりこみ中なの。だから、私が迎えに来たのよ。」
蝶は、さえの頭上をくるくる飛び回りながら言いました。さえは、
「ジョージは、何をしてるの?」
と、きれいな羽に見とれながら聞きました。
「トン叔父さんが、先住民の落とし穴に落っこちてね、それで、今、みんなでひっぱり上げているの。」
蝶は、ヒバリのような美しい声でピチピチ笑いました。
「あんなに急いで歩いたら、足元なんか見てないにきまってるわ!」
さえはあきれましたが、トン叔父さんのことが、ちょっと心配になりました・・・。


つづく

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 昨日は、とても天気が良かったので、また近所の散歩道に、写真を撮りに行きました。海が、自転車で行ける距離にあるので、そっちへも行きたかったんですが、時間が十分に取れなかったので、今回は野原の写真だけ撮影する事にしました。

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草の、流れを見て下さい。風が吹いているのが、分かるでしょう?これは、先日小さなスミレを撮影したのと同じ土手です。日差しは強くて、暑いくらいでした。5月というのは、こんな空の色なんですね。散りばめたように咲いている黄色い花は、ミヤコグサ、と言うんだそうです。マメ科の植物です。アップで撮っておけばよかったです・・・。^^;


草と空縮小

これはカラスムギと言います。風が強くて、ぐらぐら揺れていたこの草を、私は何度も撮影して、画面の真ん中に収めました。草の名前が分からなかったので、画像を頼りに調べてみたんですが、判明すると、ナルホド、という良い名前ですね。昔の人は、本当にネーミングセンスがあります。


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その、カラスムギの群生です。強い風が吹いて、草穂がいっせいに同じ方向を向いています。そのたびに白く光って、とても綺麗です。


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どうですか?涼しそうでしょう。^^これは、土手の向こうにある川の、堰(せき)を写したものです。犬がよく、散歩の途中でこの堰のあたりを泳いでいます。
水遊びが、恋しい季節になったんですね。(私の住む、九州の話ですよ。^^)

以上、5月の小さな散歩でした~☆^^


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 制作を進めていたファンタジーイラスト、『小さな幸せ』が完成したので公開します。
もっとしっかり色を塗ろうか迷ったんですが、素朴な味が薄まるような気もしたので、ここで筆を止めることにしました。

物語が、まだ半分ほど残っているので、今回少し話して、次回は簡単な挿絵を新しく描いて、エンディングに添えたいと思います。

小さな幸せ色ぬり2-2 正視化縮小


 河原の草原に着いた二人は、落ち葉をめくったり、枯れ草の茎に登ってみましたが、やはり、食べ物になりそうな草の実や、花の蜜などは、見つかりませんでした。
トニはすっかりくたびれて、枯れすすきの根元の、小石の上に座りこみました。ジョーも、トニの横に座って、しばらくぼんやり、足元の苔を見つめました。
「あ、春の妖精がいるよ。」
急に、トニが大声で言いました。
驚いたジョーが、トニの指した草むらを見ると、コナラの落ち葉の上で、一匹の蝶が休んでいました。
それは、春に、ここらの花畑を飛び回っていた、灰色の羽のムラサキシジミでした。
ムラサキシジミは、黒いふかふかの毛皮を着て、それでも寒そうに、体を縮めて、二人の方を見ていました。
「こんにちは。」
ジョーとトニが、近くで挨拶すると、ムラサキシジミも、ちょっと触角を折り曲げて、
「ああ、寒いねえ。」
と言いました。そして、
「おまえ達は、ここで何をしてるの。」
と聞きました。
それで二人は、長雨で、巣に水が入って、たくわえていた食べ物がみんな駄目になってしまった事を話しました。
ムラサキシジミは、
「それは、災難だねえ。」
とうなづくと、
「私らの家も、長雨ですっかり壊れてしまって、仲間の家に、引っ越そうと思ったんだけれど、お腹がすいて、私だけ、空から落ちてしまったんだよ。」
と言いました。
ジョーは、
「僕、幸せをひと欠けら、持ってるよ。」
と、砂糖の粒を取り出して、ムラサキシジミに見せました。
トニは、目を丸くしました。あの砂糖は、いったいどこから出てきたのでしょう。ジョーは、魔法を使ったのかしら、と、トニは思って、きらきら光る砂糖をしげしげと見つめました。
「私は、かたいものが食べられないの。花の蜜とか、樹液がいいね。」
ムラサキシジミも、砂糖を見つめて、残念そうに言いました。
ジョーは、あたりを見回して、ドングリの帽子を見つけると、それを拾って、
「ちょっと待っていて。」と言うと、走り出しました。
トニも、
「いっしょに行く。」
と言って、二人で草むらの中を走って行きました。


つづく




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